ウィッティンガムの村(ノーサンバーランド)
【地図の確認:ノーサンバーランド】
イメージしやすいように、
イングランドの地図を
頭に入れておこうと思います
最初は、
全体の地図から。
そして北から順に。
まずは一番北の。
スコットランドに
隣接しているところに、
ノーサンバーランドがあります。
ノーサンバーランド
(歴史的)
この地で歌い継がれていた
旋律はこんな感じでした。
The Playfords
『Are you going to Whittingham Fair』
(2023)
古くから、
スコットランドとイングランドが
この地を巡る争いを
繰り返してきていたそうで。
そのせいでここには。
お城(城塞ですね)が、
たくさん建っています。
バンバラ城(Bamburgh Castle)
ダンスタンバラ城(Dunstanburgh Castle)
ニューカッスル城(The Castle, Newcastle)
ワークワース城(Warkworth Castle)
そして
ノーサンバーランドは、
イングランドで最初に、
キリスト教が開花した地。
・・・でもあるそうです。
アイルランドと同じように、
ケルト系キリスト教とも
関連があるそうで。
ノーサンバーランド州海岸の
リンディスファーン島にある、
・・・は、
中世のケルト教会だそうです
リンディスファーン修道院(の廃墟)
長い間領地争いが
続いてきた結果。
この地域の
開発は遅れてしまい。
今では
過疎化が進んでいて、
イングランドの中で、
人口密度が一番低い地域に
なってしまっているそうです。
その反面。
自然の美しい景観が、
そのまま残っているところでも
あるようで。
最近では。
自分の国の、
この辺境の地の魅力に
気づいたイングランドの
人達が。
観光に訪れることも
増えたようで。
地元の人よりも、
観光客のほうが多い。
・・・なんて状況に
なっているのだとか
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この地の歴史や文化について
読んでいたら。
すごくワクワクしてきて、
興味津々になりました
なので。
英語のウィキから。
特にワクワクした部分を
メモしておこうと思います
ノーサンバーランドの名前は、
「ハンバー川の北の土地」
・・・を意味する
「Norð hẏmbra land」
・・・ として記録されています。
ノーサンブリア王国の名前は、
ハンバー河口の南にある
サウサンブリアとは対照的に、
「ハンバー川の北にある
人々または州」
・・・を意味する古英語の
「Norþan-hymbre」
・・・ に由来しています。
ノーサンバーランドには、
ロック・アート(岩絵)や
丘陵地帯、
ストーン・サークルが数多く存在する
豊かな先史時代の遺物が
あります。
この地域の大部分は
ブリトン・ケルト系の
ヴォタディーニ族によって
占められており、
南には別の大きな部族である
ブリガンテス族がいました。
ノーサンバーランドには、
イングランドの他の場所にはない
伝統があります。
これらには、
そしてスコットランドの
バグパイプとはまったく異なる
魅力的な室内楽器である
・・・が含まれます。
ノーサンバーランドにも
独自のタータン、
またはチェック柄があり、
それはスコットランドでは、
「羊飼いのタータン」
・・・と呼ばれることも
あります。
伝統的な
ノーサンブリア音楽は、
イングランドの他の地域の
音楽よりも
スコットランドの
ローランド地方や
アイルランドの音楽との
類似点が多く、
これはノーサンブリアと
スコットランドのローランド地方
との間の強い歴史的つながりと、
タインサイドに多くの
アイルランド人が住んでいることを
反映しています。
この地域のボーダー・バラッドは
中世後期から有名です。
1765年に出版された著名な
『Reliques of Ancient English Poetry』
(古代イギリスの詩の遺物)
・・・を書いたトーマス・パーシーは、
15~16世紀にロンドンなどで
ボーダー・バラードを歌っていた
吟遊詩人のほとんどは、
北部に属していたと
述べています。
19世紀の
活動により、
バラッドはさらに
幅広い人気を博しました。
これらの詩を
この言語で最も偉大な詩
であると考え、
事実上すべての詩を
暗記していました。
最もよく知られているバラッドは、
感動的な
(チャイルド・バラッド№162)
・・・です。
全体として、
ノーサンバーランドの文化は、
一般的なイングランド
北東部と同様、
南イングランドの文化よりも
スコットランドの
ローランド地方の文化との
共通点が多いと考えられます。
どちらの地域も
その文化的起源は
アングル人による
古のノーサンブリア王国にあり、
この事実は 2 つの地域間の
言語的つながりによって
裏付けられています。
これらには
子供を表す「bairn」など、
他の現代英語には見られない
多くの古英語の単語が
含まれています。
(スコットランド語と
ノーサンブリア方言を参照)
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このノーサンバーランドの中に、
あの歌に出てくる、
「Whittingham」の村が
あります。
その発音なのですが。
「ウィッティンハム」
(「ハ」の発音はかすか)
・・・と言っている人と。
「ウィッティンジャム」と
言っている人がいて。
どれが本場の発音?
・・・なんて思っていました。
オーウェン・ブラニガンは、
「ウィッティンジャム」
・・・と発音しているように
聴こえます。
彼の出身地である
「アニッツフォード」
・・・という村は、
・・・という、
今は自治区になっている
小さな一画にあり。
そこは、
ちょうどノーサンバーランドと、
・・・の境界線上のあたりに
なるようなのですが。
ただ、ここも昔は。
ノーサンバーランドに
含まれていたようなので。
やっぱり「ジャム」が
本場なのかなぁ?
日本語で調べようにも、
なかなか出てこないし。
「Whittingham」は。
「ウィッティンガム」とか、
「ホイッティンガム」とか。
そういう風に
記載されていて。
しかも。
出てくるのは。
「名前(姓)」として
使われているものばかり
こういう時。
ネイティヴの人が
近くにいると。
助かるのですけれども
余談ですが。
英語の「wh」を、
日本語で「ホ」と表すように
なったのは。
実は、
オランダ語の発音の影響だと
聞いたことがあります。
江戸時代末期。
日本に黒船がやってきた時。
アメリカ人のハリスの
通訳にあたったのは。
・・・でしたが。
その彼は、
オランダ人でした。
まぁ。
それはともかく。
「Whittingham」
・・・という言葉は。
「名前(姓)」にも
なっていますが。
それはやはり、
土地の名前に由来していて。
そして、
この「Whittingham」という
村の名前は、
アングロ・サクソン時代に
つけられたと考えられて
いるようです。
元々は古英語で、
「Hwitingaham」
・・・だったらしいです。
その意味は。
「the meeting place of Hwita's people」
「Hwitaの人々の集会場」
・・・だそうです。
古英語のこの
「Hwita」
・・・というのは、
「White」(白)
・・・のことです。
そう思うと。
実は、
「Whittingham」の
本来の発音は。
「ウィッティンガム」
・・・ではなくて。
「ホィッティンガハン」
・・・だったのかも?
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【スカボロー・フェア聴き比べ】
もう完全に、
サイモン&ガーファンクル版の
旋律です。
同じように、
カンティクル形式で。
対旋律に、
反戦歌も入っています。
男女で一緒に
歌っているところが、
「He」でも「She」でもなく。
「Who」で繋げて、
どっちともとれるように
変えているようですが。
きっと、
こういう風にして。
歌詞っていつの間にか
変わっていくのでしょうね
Bobbie Gentry · Glen Campbell
『Medley: Scarborough Fair/Canticle』(1968)
すぐに消えてしまった
人らしくて。
彼女の歌は、
かなりレアな音源らしいです。
彼女の歌からは。
かすかに、
激しさを感じます。
Deena Webster 『Scarborough Fair』 (1968)
★サンディ・ショー★
こちらもやはり。
ほとんど、
サイモン&ガーファンクルの
コピーのようです。
カンティクルが入ると、
英国トラッドの雰囲気が消えて。
ニューミュージックに
聴こえてくる気がします。
Sandie Shaw 『Scarborough Fair』(1968)