【ウィッティンガム・フェア】

 

 

Newcastle Courant」という

イギリスの昔の新聞で。

 

「Northumberland Pipe And Ballad Music」

(ノーサンバーランドのパイプと

バラッドの音楽)

 

・・・というシリーズを

掲載していたようなのですが。

 

 

1879年8月29日の紙面で、

初めて。

 

「Whittingham Fair」

 

・・・というタイトルの歌が

登場したそうです。

 

 

それから3年後。

 

この歌の歌詞と譜面は、

 

Northumbrian Minstrelsy

 

・・・という本の中に

再掲載されました。

 

 

Bruce & Stokoe,

 Northumbrian Minstrelsy (1881) pp.79-80

 

 

 

この本は、

 

上のリンクでは1881年と

なっていますが。

 

ウィキによると、

出版は1882年だったようです。

 

 

これは、

 

18世紀から19世紀にかけての

イングランド北東部の民謡と

パイプ音楽をまとめた本で。

 

ジョン・ストッコー

ブルース牧師によって

 

編纂されたものだそうです。

 

 

出版したのは、

 

Society of Antiquaries 

of Newcastle upon Tyne

 

「ニューカッスル・アポン・タイン」

 

・・・という、

古物商協会でした。

 

 

*******

 

 

新聞記事によると。

 

「ウィッティンガム・フェア」の

歌詞とメロディーは。

 

約20年前に、

 

カークウェルピントン

Thomas Heppellという人によって、

 

古物商協会のコレクションに

寄贈されたもの。

 

・・・とのことで。

 

 

この古物商協会が、

1855年に、

 

ノーサンバーランド地方の

古いメロディーを保存するための

委員会を立ち上げて、

 

歌を募集していたところに

応募してきたのがその、

 

トーマス・ヘップルさん

だったそうです。

 

 

トーマスは、

カークウェルピントンの

地元の歌手でした。

 

彼は24曲の原稿を、

協会に送ってきていて、

 

その時。

 

「子供の頃から耳で聴いていた

古いバラッドがいくつかある」

 

・・・と言っていたそうです。

 

 

「Whittingham Far」の原稿

by Thomas Heppell(1855年)

 

※画像はこちらから※

 

 

この曲は。

 

その2年後に、

ノーサンブリア公から

賞をもらったようです。

 

 

*******

 

 

この歌は、

 

「Scarborough」が

「Whittingham」に

変わっただけで。

 

あとの歌詞は、

ほとんど同じような感じです。

 

 

フランク・キッドソン曰く。

この歌の歌詞に、

そういう違いがあるのは。

それを歌う人が、
自分の一番よく知っている
「Fair」の名前を。

つまり、
地元の「Fair(市)」の名前を
当てはめたからなのだろう。

・・・とのこと。

 

 

ただ。

 

「ウィッティンガム」というのは、

ノーサンバーランド地方にある

村なのですが。

 

 

 

 

この村で、

「Fair(市)」が行われた記録は。

 

見つかっていないのだとか?うーん

 

 

*******

 

 

1964年に。

 

オペラ歌手の、
オーウェン・ブラニガンが。

この、
ノーサンバーランド・ヴァージョンを、
レコードでリリースしています。

 

 

 

 

 

Owen Brannigan With Consett Citizens' Choir ‎
  Songs Of The Tyneside

 

 

ブラニガンは。


ノーサンバーランドの、
アニッツフォード(Annitsford)
出身の人だそうです。

 

 

Owen Brannigan 『Whittingham Fair』(1964)

 

 

 

【Whittingham Fair 聴き比べ】

 

 

トーマス・アレン

 

シェイラ・アームストロング

 

 

ソプラノとバリトンによる、

オペラ調の「Whittingham Fair

 

シェイラは、

ノーサンバーランド出身のようですにっこり

 


男女の掛け合いに
なっているのが珍しいですが。


「掛け合い」

 

・・・なところが、
なるほどなぁ。

 

・・・とも思いますおやすみ


Thomas Allen & Shiela Armstrong
『Whittingham Fair』(2002)

 

 

 

ヨエル・フレデリクセン

 

 

 

 

いつもの人ニコニコ

 

ドイツを拠点に活動する

アメリカ人歌手。

 

リュート奏者でも

あるそうです。

 

ケルトの香り漂う感じの・・・

 

 

Joel Frederiksen 『Whittingham Fair』(2007)

 

 

 

Dave Webber & Anni Fentiman

 

 

こちらは

ケルトの匂いではなくて。

 

古代の宗教みたいな

匂いがしてきます。

 

ペイガンの宗教。

 

・・・みたいな真顔

 

 

Dave Webber & Anni Fentiman
『Whittingham Fair』(2010)

 

 

 

Marco Pasettoは、

クラリネット奏者みたいで。

 

でも。

 

クラリネットの音って。

 

この歌には微妙に

合わない気がしましたうーん

 

 

Marco Pasetto 

(feat. Elena Bertuzzi & Lorenza Pollini)
『Whittingham Fair』(2000)

 

 

 

Anna Tamさん。

 

なぜかちょっと、

怖い感じが・・・汗うさぎ

 

 

Anna Tam 『Whittingham Fair』(2021)

 

 

 

The Playfords

 

こちらは↓

 

見つけた中で、

一番新しかったのですが。

 

これはすごく好きです目がハート

 

『ロード・オブ・ザ・リング』が

浮かびました。

 

 

 The Playfords

『Are you going to Whittingham Fair』 

(2023)

 

 

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【ちょっと横道】

 

ブラニガンの
Whittingham Fair』を
聴いていたら。

連動して、


頭に浮かんだ曲が

ありました。

 

 

Sarah Brightman 『Hijo De La Luna』(2000)

 

 

この歌も好きで。

 

昔、よく聴いていました。


スペイン、マドリード生まれの
ホセ・マリーア・カノによって
描かれたこの歌は。

スペインに伝わる、
ジプシーにまつわる民話が、
もとになっているのだ

そうです。


月の息子



すごく、
可哀想なお話です。


この歌はもともとは、
スペインのグループ、
「Mecano」の歌です。


Mecano 『Hijo de la Luna』(1986)

 

 

いつも思うのですが。

 

やはり。

 

オリジナルを超えられる

コピーって。

 

なかなかないものですね。

 

 

でも今回、

ブラニガンの歌で頭に

浮かんだのは。

 

メカーノではなくて、

サラ・ブライトマンの

『Hijo de la Luna』でした。

 

 

そして、

知らないうちに。

 

またこの歌の

新しいコピー・ソングが

出ていたようで。

 

 

Tal Barr『Hijo de la Luna 』(2021)

 

 

この、

「Tal Barr」という人は。

 

『スカボロー・フェア』も

歌っていたようです。

 

リリースが2021年の

ようですから。

 

最近ですね。

 

 

Tal Barr『Scarborough Fair』(2021)