『The Sleeping Princess』

John Duncan

 

 

以前書いた、

こちらの記事↓の続きです。

 

 

 

 

 

前回も載せた、

メイちゃんのオーロラの

2幕のパ・ド・ドゥですが。

 

 

М.Нагахиса (M.Nagahisa) (дебют, debut), Ф.Стёпин (P.Stepin)

 

 

最近のマリインスキーは、

この振付を採用しているのでしょうか?

 

 

シリンキナ&シクリャーロフ

ご夫妻も。

 

同じ振付でした。

 

 

Shirinkina & Shklyarov - Sleeping Beauty Act 2 Excerpts

 

 

でもこの振付。

 

とんでもなく

難しくないですか??驚き

 

 

家に、

ソーモアとシクリャローフの

マリインスキーの眠りの

DVDがあったのですが。

 

この舞台は、

2015年。

 

観てみると、

 

幻想のシーンの、

その構成はほとんど

同じでしたが、

 

パ・ド・ドゥの振付が、

ほんの少しだけ簡単?に

なっていました。

 

(普通の人にとっては、

全然簡単ではありません泣き笑い

 

 

 

The Sleeping Beauty - Alina Somova, Vladimir Shklyarov

 

※例のパ・ド・ドゥは、

1時間21分あたりから

始まります。

 

 

昔はこの、

幻想のシーンのオーロラの

衣装は。

 

マリインスキーでは、

オレンジでした。

 

今は、

白なんですね。

 

 

王子のほうの衣装は、

今も昔とさほど変わって

いませんし。

 

リラの精や妖精たちの

衣装やウィッグ。

 

そして、舞台背景も。

 

ほぼほぼ、

変わっていないようです。

 

 

*******

 

 

そして。

 

私の大好きなあの、

リフトの部分ですが。

 

そこに関しては

今のマリインスキーは、

 

昔と同じように、

リフトでいっているようですが。

 

 

今、メイちゃんや

シリンキナが踊っている、

 

あのとんでもなく難しい

振付の部分は。

 

昔は全然違っていました。

 

 

踊りの技を見せる。

 

・・・というよりかは、

そこはもっと。

 

「ドラマ」

 

・・・を強調していました。

 

 

今のマリインスキーでは。

 

幻影として出てきた

オーロラ姫は。

 

すぐに王子と

踊り出しますが。

 

 

昔は。

 

姫と王子が

本格的に手を取り合って

踊り出すまでに。

 

もう少し、

時間がかかったのです。

 

 

*******

 

 

森に狩りにやってきた王子は、

そこでリラの精に出会い。

 

お城でずっと

眠り続けている、

 

オーロラ姫の物語を

聞かされます。

 

 

そしてリラの精は、

王子に姫の幻影を見せました。

 

 

姫のその美しさに、

一瞬で心を奪われた王子は、

 

彼女に触れようと

するのですが。

 

リラの精や妖精たちに

止められてしまいます。

 

そうやって、

焦らされた後に、

 

やっと姫に

触れられたと思ったら。

 

オーロラ姫はすぐに、

フワッと逃げてしまうのです。

 

 

イメージとしては、

こんな感じ↓

 

 

Alina Cojocaru - Mariinsky Sleeping Beauty Act II

 

 

そうして王子が、

 

やっと姫を

しっかりと捕まえた!

 

・・・というところが、

 

あのリフト。

 

・・・だと思うのです。

 

 

王子の、

胸の高鳴りが伝わってくる

場面です。

 

 

だから、

音楽も。

 

そうなっています。

 

 

焦らされるほどに

燃え上がる恋心。

 

・・・みたいなニコニコ

 

 

実際のオーロラ姫は、

お城で眠っていて。

 

ここにいるのは、

「幻影」なので。

 

王子を

焦らしているのはもちろん。

 

リラの精ですにやり

 

 

そんな場面なので。

 

今のマリインスキーの

演出は。

 

「踊りを見せる」

 

・・・という意味では、

 

とてもとても

素晴らしいのですが。

 

 

ドラマ的な演出としては、

 

うーん。

どうかなぁ?

 

・・・という

気がしなくもなく。

 

 

*******

 

 

そんなわけで。

 

その盛り上がるところを、

パンシェ&デベロッぺ・ドュバンの

繰り返しにした振付は。

 

うーーん?えー?

 

・・・と思っていました。

 

 

上の、

アリーナ・コジョカルの

オーロラもそうですが。

 

 

オルガ・スミルノワの

ボリショイでの舞台もそうです。

 

 

Olga SMIRNOVA - Sleeping Beauty Act 2 

 

※10分30秒くらいから。

 

 

技術は素晴らしくて。

 

とても、

綺麗なのですけどね。

 

何かが、

胸に伝わってこない凝視

 

 

大好きだったザハロワが、

 

ボリショイ劇場の

リニューアルの際に、

 

そのこけら落としの

舞台で踊ったオーロラも。

 

スミルノワのオーロラと、

ほとんど同じ感じでしたので。

 

 

ボリショイで

オーロラを踊ると、

 

こうなるのでしょう。

 

 

けれども。

 

そのザハロワさんが。

 

昔、

パリ・オペラ座の

ジョゼ・マルティネスと

踊ったオーロラは。

 

同じパンシェ・ヴァージョンでも、

少し雰囲気が違っていて。

 

「あら?」

 

・・・となりました。

 

 

Zakharova & Martinez - Sleeping Beauty Act 2 PDD & Coda

 

 

これだったら。

 

パンシェ・ヴァージョンでも

いいかも。

 

・・・と。

 

そんな気にさせられました。

 

 

*******

 

 

オペラ座の眠りは。

 

ヌレエフ版です。

 

 

『眠りの森の美女』は、

初演はプティパ振付ですが。

 

そのあと。

 

もう、たくさんの人が

改定版を出していて。

 

今ではそれが、

ごちゃごちゃに混ぜられて

切り貼りされたり

しているので。

 

「原点」

 

・・・が、

よく見えません。

 

 

けれどもおそらく。

 

最初の部分にオーロラの

ドラマを入れて、

 

盛り上がりにリフトを

持ってきたのは

プティパで。

 

 

そのリフトを、

パンシェとデベロッペ・デュバンの

繰り返しに変更したのは。

 

その最初は、

ヌレエフだったのかも

しれなくて。

 

 

このあたりもまだ、

ハッキリは解らないのですが。

 

 

ヌレエフ。

 

リフトが大変だったから、

変えちゃったのかしら?

 

・・・とか

思ったりもしましたがニコニコ

 

 

実際にヌレエフ本人が

演じているそれを観ると。

 

彼がそこで、

何を表現したかったのかが

 

なんとなく、

伝わってきた気がしました。

 

 

あぁ。

そういうことだったのか。

 

・・・と。

 

 

その、彼が表現したかったものが

まわりにうまく伝わらず。

 

その振付だけが、

広がっていった。

 

・・・ということなのかも

しれませんね。

 

 

 

ルドルフ・ヌレエフの「眠りの森の美女」第2幕 / 

ヴェロニカ・テナント & カナダ国立バレエ

 

※11分20秒くらいから

 

 

やっぱり。

 

踊りの技術。

 

・・・という点では、

ロシアが好きですが。

 

ドラマとか、

情緒の部分では。

 

ヨーロッパが

素敵なのかな。

 

 

そしてなんとなく。

 

その情緒自体が。

 

昔のほうが

深かったような気がして。

 

 

昔、森下洋子さんが

言っていました。

 

 

眠りのこのシーンの

オーロラは。

 

幻影。

 

・・・なので。

 

絶対に、

重さがあってはいけないし。

 

カクカクしてはダメだし。

 

なめらかに。

 

「油のように」

 

踊らないといけない。

 

・・・と。

 

 

彼女は。

 

先生からそういう風に

教えられたのだそうです。

 

 

この、

 

「油のように」

 

・・・というのを、

どう捉えるのか。

 

・・・というのは。

 

その人の「感性」に

関わってくるものだと。

 

そんな風に思いますがおやすみ

 

 

そういうところにもまた。

 

お国柄。

 

・・・とかそういうものが、

にじみ出たりするのかも

しれませんね。