二尊院から10分ほど歩いて祇王寺へ
祇王寺 【ぎおうじ】
祇王寺は竹林と青もみじに囲まれたつつましやかな草庵で、『平家物語』にも登場し、平清盛の寵愛を受けた白拍子の祇王が清盛の心変わりにより都を追われるように去り、母と妹とともに出家、入寺した悲恋の尼寺として知られております。
祇王寺は昔の往生院の境内にあり、往生院は法然上人の門弟良鎮によって創建されたと伝わっています。
山上山下にわたって広い寺域を占めていた往生院も後年は荒廃し、ささやかな尼寺として残り、後に祇王寺と呼ばれるようになりました。
山門
雰囲気がめちゃくちゃ良いですよね
苔庭
参道を歩くと、中央に美しく苔に覆われた苔庭が見えます
また、苔庭の周りには山野草が咲き、四季折々の花が楽しめます
双葉葵
葵紋は徳川氏の家紋として有名よね
もともとは京都の賀茂別雷神社、賀茂御祖神社の神紋だが、江戸時代は葵紋の使用が制限
また徳川家康が天皇家から菊紋や桐紋の下賜を断って葵紋を使用し続けたことからより格を上げることとなったんよ
つくばい
清らかな自然の山水によって多くの参拝者を和ませてくれてました
草庵
ひっそりと佇むかやぶき屋根の草庵
中には祇王、祇女、刀自、仏御前ら5人の木像が安置されている仏間があり、吉野窓から外の景色を眺めることができます
仏間にある仏壇には、本尊大日如来、祇王、祇女、母刀自、仏御前と平清盛の木像が安置されています
祇王、祇女の像は鎌倉末期の作で、作者は不詳ですが目が水晶で鎌倉時代の特徴をよく表していました
草庵の控えの間にある大きな丸窓を吉野窓と言い、境内の緑葉を通って差し込む日差しが障子に色とりどりの色彩を映し出すことから「虹の窓」と称しています
縁結び絵馬
さすが…観光地
日本語じゃない
宝篋印塔
碑には「妓王妓女佛刀自之𦾔跡」とあり、左には「明和八年辛卯正當六百年忌 往生院現住尼 法專建之」と建立が記され、右に「性如禅尼 承安二(1172)年壬辰八月十五日寂」と刻まれているのは祇王のことと思われます
祇王寺は明治初年に廃寺となりましたが、残された墓と仏像は旧地頭の大覚寺によって保管
大覚寺門跡の楠玉諦師はこれを惜しみ、再建を計画していた時に、元京都府知事北垣国道氏が祇王の話を聞き、明治28(1895)年に嵯峨にあった別荘一棟を寄付されたんやって
これが現在の祇王寺の建物なんよ
これらの関係から祇王寺は真言宗大覚寺派の寺院で、旧嵯峨御所大本山大覚寺の塔頭寺院ともなっています
季節限定の御朱印
京都府京都市右京区嵯峨鳥居本小坂町32
祇王寺から次ぎへ向かう化野念仏寺までの道
愛宕街道に沿って藁葺き屋根の民家が自然と溶け合いながら軒を連ね、風情ある景観が残されています
鳥居本(とりいもと)も、火防(ひぶせ)で名高い愛宕大権現を祀る白雲寺(現在の愛宕神社=全国に900社ほどある愛宕神社の総本社で、「火迺要慎」(ひのようじん)の火伏札で有名)の一の鳥居があることがその名の由来(一の鳥居から、愛宕神社まで五十丁)
京の都では、「愛宕の三つ参り」として、3歳までに参拝すると一生火事に遭わない、「お伊勢七たび、熊野へ三たび、愛宕さんへは月詣り」といわれ、嵯峨鳥居本はその参詣の基地としても賑わったんやって
一の鳥居近くにある「京都市嵯峨鳥居本町並み保存館」は、明治期に建てられた民家を再生したもので、昭和初期の愛宕街道の町並みを精密に復元した模型が展示されています
化野念仏寺(あだしのねんぶつじ=化野は平安時代以来の墓地で、風葬の地)を境として一の鳥居側の上地区には「くずや」(葛屋)と呼ばれる藁葺きの農家が多く、下地区は「むしこ窓」を有する町家風の建物が多く残り、全体の半数が江戸時代末期から明治にかけて建築された伝統的建造物
つまり、愛宕街道の坂を上るにつれ、化野念仏寺を境に、瓦屋根の町家風民家から茅葺きの農家風民家の家並みへと変わっていく点に注目を
愛宕街道(京都鳥居本)として国土交通省の日本風景街道にも選定されています
鮎問屋を営むかたわらで、名物志んこ団子を旅人に供したのが始まりという老舗「平野屋」(当主で14代目)は、「志んこ」(米粉の団子)、鮎料理(6月〜10月中旬)、春の山菜、冬の猪肉などの季節料理の名店
一の鳥居をくぐった横にあるので、ぜひ立ち寄りを
と…いいつつ…みぞかつは立ち寄りはしなかったけどね
周辺には、愛宕神社のほか、化野念仏寺、嵯峨野めぐりの出発点にもなっている愛宕念仏寺(おたぎねんぶつじ)があり、平安時代からの歴史を今に伝えています
ちなみに京都市内にある伝統的建造物群保存地区(重伝建)は、嵯峨鳥居本伝統的建造物群保存地区のほか、産寧坂(さんねいざか)、祇園新橋、上賀茂の4ヶ所があります
お土産さんにお立ち寄り
あだしのまゆ村さん
何か…凄いのん売ってたぉ
繭からの糸で作られたという絹てまりなんやって
竹林の小径
京都の代表的な観光地であり、渡月橋と並んで嵐山のシンボルでもある竹林の小径
野宮神社から天龍寺の北側を通り、大河内山荘庭園まで約400mにわたって空を覆うほど高く伸びた竹の林が続いてます
平安時代には貴族の別荘地だったといい、晴れた日には木漏れ日が心地よく、また太陽のない日は昼でも薄暗いほどで、1000年を経た今も幽玄の世界に誘われるみたい
キモノフォレスト
キモノフォレストとは京都の観光名所で有名な嵐山へ行く、京福電鉄嵐山本線の終点、嵐山駅に出来た京友禅の林に見立てたアートなんよ
これは京友禅の生地をアクリルで包んだ、高さ約2mの色とりどりのポールが駅構内や線路脇の場所に設置され、京友禅の林に見立てたもの
その数、嵐山駅の敷地全体でなんと600本もあり、大変美しいですぅ
キモノフォレストを作っている京友禅は大正時代から続く老舗の「亀田富染工場」のものを使っています
特に「着物の小径」と名付けられた小径には両脇にこのポールが並び、京友禅の並木道になっており、伏見稲荷の鳥居を通る感覚に似ています
あちこちにベンチがあるので、座ってゆっくり眺めるのもいいかも
駅の敷地内は友禅の林に沿って散策でき、もみじの庭や桜の庭など、四季折々違う顔を見せてくれます
昼間も美しい「キモノフォレスト」ですが、夜はより美しいスポットに生まれ変わります
キモノフォレストでは毎日夕刻~21時にライトアップを
京友禅のポールにはLEDが仕込まれているので、幻想的な光の森になります
特に「着物の小径」は自分がどこにいるのかわからなくなるような不思議な感覚になるとか
また、暗くなってから嵐山駅へ向かう電車に乗れば、暗い線路からライトアップされた駅に入っていくと光に包まれて、なんとも言えない感覚に
おかきやお煎餅を販売しているお店 寺子屋本舗 嵐山店さんに
京都の大原が発祥のようで、京都の観光地を中心にいくつも店舗があるようです
渡月橋のふもとにお店を構えるこちらの嵐山店では、お団子を取り扱ってるんよ
こちらの「華美だんご」が、インスタを中心に人気になったという、嵐山の新名物なんやって
季節に合わせた楽しいお団子も販売しているようでした
華美だんご 300円
白い団子の上にはカラフルな4色の餡が盛り付けられていて華やかぁ
ラムネ、白桃、柚子、さくら です
さらに、アラザンと呼ばれる、小さい粒がまぶされて輝いているぅ
もっちりしたお団子の食感と、ほどよい餡の甘み
アラザンはバリバリを砕ける食感
美味しかったです
嵐山駅(阪急)から549m
京都府京都市右京区嵯峨天龍寺造路町37-8 嵐山メディアギャラリー憧屋内