公立中学校で数学を教えています。
1.はじめに
1年間の授業の中の1回目である授業開きは、とても大切です。
それでいて、自己紹介やルール確認など、やることもたくさんあります。
どうしても、ウダウダと話が長くなりがちです。
僕も、昔はこんなプリントを用意して懇切丁寧に説明をしていたものです。
それが今ではどんな授業開きをするようになったのかを、今回は紹介します。
2.授業開きの実際
初めて会う中学1年生相手の授業開きです。
ちなみに、僕は授業では、黒板に模造紙を貼って、プロジェクターでスライドを投影させています。
では行きます。
今日の流れは①~④です。
①先生の自己紹介
先生は、○○先生といいます。
よろしくお願いします。
はい、①終わり。
②持ち物の話。
持ち物は4点セットです。
教科書、ノート、ファイル、ワークです。
すべて置いて帰っていいです。
ただし、他に絶対に持ってきてほしいものがあります。
何でしょう。
それは、やる気です。
ちゃんと毎日持ってきて、毎日持って帰ってくださいね。
はい、②終わり。
③評価の話。
中学校では、通知票が54321の5段階になります。
定期テストの目安の点数はこんな感じだと思っていてください。
ただ、成績はテストの点数だけで決まりません。
ノートやレポートなども評価に入ります。
それを忘れないでおいてくださいね。
はい、③終わり。
④授業。
と言うことで、ここからはこんな内容の授業をしました。
ここまで、ホントに今みたいな感じで淡々とテンポ良く進めました。
投影しているパワーポイントのスライドを印刷して生徒に配ってファイルに綴じさせました。
ファイルやノートを配って名前を書かせる時間もあったので、ここからの授業が30分弱だったかなと思います。
3.授業開きの秘訣
僕が思う授業開きの秘訣は2つです。
「この先生、すごい」「この先生、今年は変わった」と思わせることと、ルールを教えることです。
授業開きの流れ全部で、この2点につながるように意識をしました。
自己紹介をタラタラしないのも、持ち物や評価の説明が的確で端的なのも「この先生すごい」と思わせるためです。
授業開きの日から本格的に授業をたっぷりするのも、「この先生すごい」と思わせるためです、
詳しく言うと、「この先生は、初日から授業するほど授業をホントに大切にしてるんだ、スゴい」と思わせたいのです。
自己紹介のおもしろい話なんて、長い1年間でいつでもできます。
それよりは、誠実に授業に向き合う教師を演じて、その姿勢を生徒に見せつける方が、1年間が楽になります。
だから、最近はいつでも、授業開きで授業をたっぷりするようにしています。
そして、もう1つのルールを教える。
これは、たらたらルールを教えません。
実際に活動させる中で確認をしていきます。
例えば、③の評価の話まで終わった段階で
「みんなの聞く姿勢がすばらしい。
前を向いて先生の目を見て話を聞いていますね。
それが、授業を聞くときの聞く態度ですね。」と話します。
これで、授業ではどうやって話を聞くかのルールを確認できます。
だから、④の授業でする内容も、感想を書かせるコーナーを作ってノートを使わせたり、教科書を開かせたり、みんなで声を出させたりと、これから授業で使うであろう活動を入れ込むようにしています。
そして、評価を入れることでルールを教えるようにしています。
4.授業開きの確認事項
最後に、授業開きの確認事項です。
「授業開きの時期は生徒が静かで当たり前」です。
新しいクラスで新しい先生で緊張感があるので、生徒は素の自分を出せないものです。
だから、みんなチーンとしています。
そんな状況なので、楽しい内容をするより、ルールを教え込む事が最優先です。
楽しい内容をするのが悪いわけではないですが、チーンとしたときにルールを教え込んでおいた方が1年間荒れにくくなります。
ためし行動をつぶしたり、活動させながらルールを教えることで、授業というレールに生徒をのせます。
そうすることで、後はレールを走るだけになります。
楽しいことなんて、後でいくらでもできるし、レールにのせてから楽しいことをするからこそ規律ある楽しさにつながります。
以上、授業開きでした。
最後まで読んでいただきありがとうございました。