先日、地元の業界組合の研修旅行中になんとなく思ったこと。

 

長崎市内のとある居酒屋でひとり〆うどんをしていた時のこと。

若いアルバイト?の店員さんが、外国人のお客さんに一生懸命メニューの説明をしていた。

決して流暢ではなくありったけ知っている単語を並べて会話をしているが、本人はとても笑顔で楽しそうに対応している。

この様子を見て、自分が学生の頃とは比べ物にならないくらい世界が近くなったなとふと思った。

特に近年は円安の影響も強く、海外からの旅行者が極端に増えている。所謂インバウンドというやつだ。

 

以前から、私は会話の途中に突如としてヌメっと出てくる英語のようなカタカナ用語に違和感を感じる。

特に多いのがテレビのコメンテーターや政治家、企業のお偉いさんなどの話の中にチョイチョイ挟まれる「英語のようなカタカナ用語」

例えば「クライアントにはコンセンサス取れていますか?」・・・

 

何故、「先方に了解を得ていますか?」と言わないのか。単純に文字数も増えているうえに話してる相手は日本人。百歩譲って相手が外国人だったとしても、「コンセンサス」を英語的発音で話す人はどのくらいいるのだろう。

 

たまにいる。

グローバルスタンダードがイングリッシュなんだからマストでしょ。・・・

 

そもそもこの会話中に使うカタカナ言葉、日本語の意味わかる?

 もちろんわかりますよ。

じゃぁなんで日本語で言わないの?

 もうコレみんな日本語ですよ!?

 

もう、そうなんでしょうね(笑)

 

なんとなく、日本人の英語が話せることへの憧れ、話せないことの劣等感、なのかなぁ。

だったらちゃんと単語のアクセントや発音は英語のもので話せばいい。でもそれ恥ずかしんでしょ、日本語の間に英語的発音の言葉を入れるのが。だって話してる相手日本人だから。

 

私は思う。世界標準が最高ではない。

英語が何故世界標準の言語なのか。もちろん世界の歴史的な序列もあるが、言ってしまえば「簡単」だからか。

世界の言語の中で、日本語はかなり難易度の高い言語だ。日常的に漢字、ひらがな、カタカナを使い、漢字は世界の言語の中でも数少ない表意文字(一つの文字で意味を成すことができる文字)であり常用漢字だけでも2000字以上、その読み方は音訓合わせて4000以上、そこにひらがなカタカナそれぞれ50文字ずつを入り乱れて使用し、口語には尊敬語の他に謙譲語まである。

故に、どんなに日本が世界の頂点に立とうとも、日本語が国際基準になることは無い。

 

何が言いたいかというと、日本語で言えることを英語のように置き換えて日常で会話をするのは決して技能向上でもなく言葉の進化でも無い、言語の劣化だと思う。

 

その昔中国大陸から漢字が入ってきてその後の歴史で島国故の独特の発達をした日本語。

その言語は文化の表われであり、日本の誇るべき財産だ。

 

近年、日本の八百万の神の所謂神様を英語でGODと訳さず「KAMI」と言わせることがあるという。まさにコレが日本が目指すべき国際化だと思う。

 

日本の神々は外国の一神教の神とは性質が異なり同じものとしては理解されない。コレを「GOD」として訳してしまうのは、国際化ではなく単なる忖度だ。日本の神様は「KAMI」と英訳し、それはこういうものだというくだりを英語で説明する、それが国際化だと思う。

 

世界の均一化は将来的に文化風習も均一化していく。つまり何百年後かには海外旅行の魅力は激減する。どこに行っても気候と地形以外同じ世界が広がることになるからだ。

 

最初の話に戻るが、一生懸命使っている「インバウンド」という言葉も、そもそも英語では「内向きの・内側へ」という単語に過ぎない。旅行者についていうのであれば「インバウンドツーリスト」が外国人旅行者になる。

 

今回の新紙幣、コレも外国人にも見やすいようにと算用数字が大きく表記されている。

まぁ、そのうち見慣れるだろうが、とにかくダサい。ダサい。

日本に魅力を感じて日本を訪れる観光客なら、日本の紙幣くらい覚えろ。それは外国に行く時の常識だ(そもそも今は電子決済か、、、)。人の家にお邪魔して、トイレのスイッチの位置が分かりづらいって文句言う人いるか?

今回の紙幣については決して国際化では無い。コレこそただの忖度だ。

かつての携帯電話で使われた「ガラパゴス化」。

そんなこと言ってるとまた世界から取り残されてそれこそ国がガラパゴス化してしまいますよ!

大いに結構ではないか。生物が独自の進化を遂げているガラパゴス諸島は、世界から保護されている。

 

 

さてさて、欧米列強への忖度日本。

それなら早く円も国際標準に合わせてくれ。

 

 

と偉そうに書きながら、やっぱりこれでもカタカナ用語が混ざってしまうという墓穴を掘って今日はここまで。