ハイネ | 大好きなものだけ

大好きなものだけ

テニス と音楽
お花とドールハウス
*昭和の遺物 断捨離中

「逝く夏」

 

      ハインリヒ・ハイネ作/片山敏彦訳



 

黄色い樹の葉がふるえる。

 

樹の葉が降っている。

 

やさしいもの、なつかしいものが残らず

 

枯れて、沈む、墓の中へ。



 

森の梢の周りに、いたましげに

 

日没の光がふるえている。

 

これは、別れを告げてゆく夏の光の

 

最後のくちづけかもしれない。



 

心の底の底から

 

泣かずにはいられない気持がする。

 

今この有様がわたくしに

 

恋の別れをまたしても想い出させる。



 

お前と別れるさだめだった。

 

まもなくお前の死ぬことが判っていた。

 

私は、去ってゆく夏であり、

 

お前は枯れてゆく森だった。

 

 

*昔の日記断捨離中

詞が好きだった自分はいずこへ~~