部長との電話を切り


元働いていた会社へ急いで向かった


なんとなく、

ぼんやりと気づき始めていた私は

胸が苦しく

動悸がしていた


会社に着いたのが

定時を1時間過ぎていた


時間外にお時間を取らせてしまい

申し訳ありません


きみには話さないでくれと

言われていたんだが…


きみもいい大人だし

知っておいてもいいだろう


部長は全てを話してくれた




話が終わり会社を出て、

駅まで見慣れた道を歩いた

ここを毎日歩いた

色んな思いを抱えながら…


人の行き交う慌ただしい通勤時間

ため息を吐きながら

早く帰らないといけないのに

足が早く動かない

暗い顔でうつむきながら

歩いた日が蘇る


動悸が止まらない

胸が苦しい


マスクで顔を全部かくしたかった


この歳にもなって

外なのに抑えることが出来なかった


どんどん、どんどん

涙が溢れてた…