さて、昨年の話になりますが、ショッキングな事件が起きました。
11月に叔父さん夫婦が毎年恒例の海外旅行に行きました。その間、大きな家におばあちゃんが一人きりになってしまうということで、毎回叔父さんから留守をお願いされます。今回も同様で、叔父さん夫婦不在の2週間、主に私とぷっぷちゃんが叔父さん宅に滞在し、留守を預かることになりました。
ある平日の朝、いつもならいるはずのない叔父さんの長男坊の彼女が、私たちの部屋をノックしました。「あれ?なんでこんなとこにいんの?仕事は?」と寝ぼけながら聞くと、「あのさ、昨日の夜何も聞かなかった?」と聞いてくる彼女。何のことだかさっぱりわからず、「???何のこと?」と聞くと、「実は・・・・、叔父さんの車がガレージから無くなってるの・・・!!!」と言われました。
なんと叔父さんの約1500万円のポルシェがガレージからなくなっていたんです・・・!!!話を聞いていくと、どうやら何者かに盗まれたらしいとのことでした!!!
しかし、叔父さんの家から車を盗むなんて、正直にわかには信じられない話でした。というのも、叔父さんの家が建つ地域は、地域ごと6つの通りすべてが策で囲われていて、この地域に入るには24時間警備員が監視するゲートを通らなくてはいけません。
その上、叔父さんの家のセキュリティももちろん悪い物ではなく、外へ通じる門もガレージも、家の住人が持つセンサー式の鍵でなければ開けることはできません。家の玄関も二重ドアで当時きちんと施錠がされていました。ちなみに朝おばあちゃんがガレージに車がないことに気付いたとき、ガレージのシャッターは開いたまま、でも外へ続く門は閉まっていました。
あまりの予想外の出来事にみんな鳩豆状態。私が1階に下りていくと、警察や鑑識がすでに到着していて、調査を開始していました。
刑事さんに家じゅうを調べた限りわかったことを聞くと、まず犯人は庭の地下倉庫へ続く勝手口の鍵を壊し(家の中で一番簡素な鍵でした)、そこから地下へ侵入。そのまま1階、2階と上がっていき、叔父さんたちの寝室へ侵入。その後叔父さんの車の鍵、家のガレージ&門&この住宅地へ入るためのゲートを開くセンサー式の鍵、車の証明書を持ち去り、車に乗ってそのまま逃げ去ったようでした。
公道に設置された監視カメラの映像と照合すると、犯行時刻は午前4時から5時ごろ。手口はとても鮮やかで、車と鍵と証明書以外は何も盗られておらず、また叔父さんの部屋も全く荒らされた形跡がありませんでした。なので初めは誰も鍵が無くなったことにすら気づきませんでした。
叔父さんの車の鍵のありかは、家の中でもごく限られた人しかしらず(息子たちは知っていたようですが、おばあちゃんや私はまず部屋に入ることがないので知らない)、事前にどこに鍵がしまってあるかを知らない限り、この短時間でこういった犯行を成し遂げるには無理があるだろうということでした。
つまり刑事さんの見解によると、叔父さんの家の事情に詳しい誰かが情報を犯罪組織に売り、恐らくは犯行自体はその組織がやったものだろうとのこと。確かに叔父さんはとても気さくで社交的な人なので、毎週誰かしら遊びに来ていたし、友達も多い上に、親戚づきあいも活発。故に誰が情報を売ったかは特定は難しいと。
しかもその内通者は叔父さんの家の事情に相当詳しい人物に違いないとも言っていました。というのも、まず叔父さんが海外に行っていて不在だというタイミングで、尚且つ犯行が行われた日には私とぷっぷちゃん、そしておばあちゃんしか家におらず、たまに不定期で帰ってくる叔父さんの息子たちや、同居しているもう一人の叔父さんもいませんでした。つまり男手が誰もいない時を狙ってですよね。
私も刑事さんに少し事情聴取をされました。「夜中に何か不審な物音や人影を見ませんでしたか?」と刑事さん。というのも、叔父さんの寝室は私とぷっぷちゃんが寝ていた部屋の二つ先の部屋で、叔父さんの部屋に行くには必然的に私たちがいた部屋の前を通る必要があるからです。
私は本当に特に物音もしなかったし、「特に気づきませんでした。」というと、「そうですか・・・。」と刑事さん。そしてこう続けました。「・・・でも、逆に何も見ず聞かずでよかったかもしれないですね。もし物音に気付いて犯人に出くわしてしまっていたら、きっとただではすまなかったでしょう。最悪命をとられていたでしょうし・・・。」
げげげ・・・!!!!
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犯行グループの中には、毒ガスを家の中にまき散らし、家人を瀕死の状態にさせてから犯行に及ぶこともあるそうで、今回は叔父さんの車が盗まれたことは大変残念ではあるけれども、家の中の誰もが無傷だったことが、不幸中の幸い。と刑事さんは言っていました。
しかしながら、今回のことで今後もし暴漢に出くわしてしまったら、どこにぷっぷちゃんを隠そうかとか、どうやって身を守ろうかと本気で考えました。マジで怖いです・・・。
犯行から2か月経った今も車は行方知れずのまま。。。もし刑事さんの言うように大きな犯行グループが関与しているとなると、もうその日のうちに海外に出てしまっているだろうとのことだったので、もしかしたら本当にすでに誰かの手に渡ってしまったのかもしれません。
という、私たちの身に起こった本当にあった怖い話でした。
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