【内観実況中継② 搭乗に間に合うのか?】




朝の中部国際空港。

今日から香港に旅立つ。

大きな荷物を持った人々で溢れていた。





航空会社を確認して、最後尾に並ぶ。

子供4人を連れた外国人一家の後ろ。

中々進まない列にイライラ。





この列で合っているのかという不安。

時間に間に合うのかという心配。

乗り遅れたらどうしようとか、

そんなことばかり考える。






不安を感じて。

それでいいと許可しても不安が残る。

ざわざわが止まらない。






すぐ隣のオンラインチェックインの列が

気になって気になって。

移動した。






オンラインチェックインの列に

並んでいる間も不安になる。

操作が上手くいかない人を見て、

自分はスムーズに出来るのかと不安になる。






いや、私は誰かが助けてくれるだろうと

根拠のない自信が湧いて、

ホッと安心感に包まれた。






私の順番がきた。

(どれからやればいいんだろう?)

と思った瞬間、

スタッフの女性が声を掛けてきて教えてくれた。






パスポートをスキャンして、

(次はどうすればいいんだろう?)

と思うと、すかさずスタッフの女性が

教えてくれた。






その先は一人でも大丈夫だった。

無事に手続きが済んだ。

これで乗れないことは無い、と一安心。






次は荷物を預ける列に並んだ。

ここも全く進まない。

またもやイライラ。

乗り遅れたらどうしようと、

また不安が湧く。






よく考えたら、私の荷物は小さいから

機内持ち込みでよくない?

預けるのやめて、機内持ち込みにしよう。






スタッフの女性を捕まえて、

荷物を預けない旨を伝える。

そうしたら、セーフティーチェックの方に

案内してくれた。





良かった。

これで乗り遅れることもない。

不安と心配が消えて、安心した。





思ったより早く手続きが済んだおかげで

時間ができた。

搭乗口の近くにスタバを見つけて、

ティーラテを頼んで、

ゆったりとした椅子に座った。






温かい飲み物に心も体も緩む。

これで飛行機に乗れる。あとは待つだけだ。

よくやった、私!

満足と楽観と安心と幸福感に浸る。






不意にぐわ〜っと愛に包まれた。

何故か愛を感じることに抵抗してる。

抵抗するのをやめて、

受け取っていいのだと、自分に許可をした。






ああ、そうか。

私、あの列に並びたくなかったのか。






ようやく気づいた。

なーんだ。

乗り遅れたらみんなに迷惑かけるとか、

飛行機チケット代をまた払いたくないとか、

いろいろ考えていたけれど、





あの長蛇の列に並びたくない。

ただ、それだけだった。






本当の私の声がする。

「どうしたい?って問いかけて。

そうすれば、不安から行動することはない。」






あぁ、本当にそうだ。

どうしたいか問いかけて、

長蛇の列に並びたくないって分かれば、

じゃあ、どうすれば並ばなくていいかを

考える。






これなら、不安は感じないね。






「どうしたい?」

「今、何ができる?」






いつも耳にしていた問いかけ。

やっと腑に落ちた。






良かった。

気づけた。

ありがとう。






再び愛と感謝を感じて。

抵抗するのをやめて、受け取って。

出てくる涙をハンカチでぬぐいながら

飛行機に乗り込んだ。