「蛙の子は蛙」
かなりメジャーなことわざで、
一般的にはネガティブな意味を伴いながら
子どもが親に似ることを意味している。
残念ながら、 我が長男にもこれが当てはまる出来事が起こってしまった。
我が子をかばう意味ではもちろん、
親としての希望的憶測も含めて、
ネガティブではあるが非常にライトであることを事前にお伝えしておく。
まず前置きとして、
僕が6歳くらいのころ、親戚のおじさんに家の近所の銭湯に連れて行ってもらうことが時々あった。
帰り道にその銭湯の前にある出店でたこ焼き屋を買って貰うのがとても楽しみだった。
当時はまだコンプライアンスなんてものはほとんど無く、
タバコは多くの場所で吸えたし、なんなら自販機で子供でも買えた。
銭湯においては、入れ墨が全身に入った人はもちろん、指をガッツリと詰めた人も普通にいた。
その銭湯において僕は、
小指が無いおじさんに対して、
「ねえおじさん、なんで小指が無いの?」
とハッキリと聞く子だった。(自分でも少し記憶がある。)
後になって、その連れて行ってくれていた親戚のおじさんから
「あの時は本当に生きた心地がしなかったよ~」
と笑い話で話してもらったのだが、
そりゃそうだろう(笑)
そしてつい先日の話。
長男と二人でバスに乗る機会があった。
バス後方にある二人掛けの座席に一緒に座っていると、目の前の座席におじさんが座った。
背もたれからそのおじさんの頭の上半分だけが見えている状態。
すると長男がバス全体に聞こえるボリュームの声で、
「ねえパパ!どうしてこのおじさんの頭は肌色なの?髪の毛は?」
と聞いてきた。
「おバカ!やめなさい!シッ!!」(小声)
チラッと車内を見渡すと、
ニヤついている人がチラホラ。
でしょうね、他人事だったら。
ところが僕は残念ながら当事者。
生きた心地がしない(笑)
そのおじさんがちょっと優しく答えてくれたりしたら
だいぶ雰囲気も変わるのだろうが、
まるで聞こえていないようなスルー・・・。
幸いすぐに目的地に着いたので逃げるように降車したのだが、
自らの銭湯での幼少期のシーンがフラッシュバックし、親戚のおじさんの気持ちが痛いほど良く分かった(笑)
蛙の子は蛙なんだな・・・。
軽症ではあるがことわざを実際に体験した。
きっとこれから先もまだまだあるんだろうな、
こういう感じの体験。