1976年7月25日 夜風の中から リリース。
この曲のジャケットには池田尊彦氏撮影の写真が使用されている。
月夜を思わせるブルー一色のなかに佇む中島みゆき。その表情には、まだ少女のようなあどけなさが残っている。
この頃の中島みゆきの歌は 「夜」 「酒」 「さすらい」 というのがキーワードになっている。
夜風の中から は、主人公が 「おいら(男)」 であり、夜の裏街の雰囲気が漂っている。
1970年代の日本の都市と地方の格差と四畳半フォーク的な恋愛ストーリーを感じる。
地方から都会に出てきた男が、ある日、夜の世界の華やかな女と出逢う。
二人は恋に落ち、女は夜の世界から足を洗い男と一緒になるつもりでいたが、結局、夜の世界の複雑な人間関係から逃げ出すことができずに、引き戻されてしまう。
純粋な彼を巻き込まないためにも、彼女はワザと彼に辛辣な言葉を浴びせて一方的な別れを告げ部屋を出て行ってしまう。
その理由を知る由もない彼は、彼女の辛辣な言葉に傷つき恨み、彼女のことを忘れようとするが、やはり忘れることができず、一人静かになる夜になると、彼女のことだけを思ってしまう…。
この曲を聴くと、そのような人間模様が目に浮かぶのである。
カップリング曲の 忘れられるものならば はカントリー調の曲で、バックに流れる口笛の音色が哀愁を漂わせ、つい一人旅にいざなわれてしまいそうになる曲である。
夜風の中から の主人公が傷ついた心を癒すために旅に出た歌が 忘れられるものならば なのではないかと思うくらい、 このシングルは一つの物語ができている。
オリコン最高位 151位
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