先週の決意表明を元に

今週はめちゃくちゃ頑張った

私は、階段を一段一段登ってゆく

ように努力して努力して

やっと人並みになるタイプである。


気合いを入れた甲斐があって

コツを掴むとどんどん上達する


おお!!ここで振り向いて1.2.3

右手をだして左に持ちかえて…っと

おお、よしよし


自分的にはすこぶる順調。


それなのに、

たまたま社員同士で話している

のが耳に入ってしまう。


「今度来た〇〇さん、

(私のいる)A班に入れようか?」


それだけなら、私の補佐にしようと思ってる

のかな?

と思えるのに

「そんな事言ったらまたみゆきさんに

私は?私じゃなくて?とか言われるぞ」

と、千本が笑って私の方を向いて言った。


ああこれはまた、私のポジションを

その人に譲るってことか

私はこんなに頑張ってるのに


まあ私が頑張ろうと頑張るまいと

会社っていうのは

会社の利益を求める所だからね

要は私に実力がないってことだよね?


どんなにあがいても

どんなに求めても

追ってもするりと逃げてゆく


もちろん、これ以上社員に何か言っては 

いけない

そんなことを言ったら、大人としておかしい

人事を尽くして天命を待つ

ってやつね

あはは、なにそれ

たかだかパートで?

笑っちゃう

私が欲しい物、しがみついている物

の小ささに笑えてくる


千本が何度も

「ねえ、みゆきさんどうしたの?」

「ねえ、みゆきさん怒ってる?」

「いや、マジでどうした?」

「なんかあった?」

「ねえなんだよ、なんかあったの?」

と聞いてくる。


は?私そんなに顔に出てます?

そんなバカみたいにイライラしてないで

しょう?

ていうか、やることやってるでしょう?

不貞腐れてもないでしょう?

もうこれ以上、話しかけないでよ

泣きそうになるから

と思いつつ、適当に返事をしていた。


定時で上がる時

「いやー、何があったかわかんないけど

今日の動きはすごく良かったよ」

と言うので

「ありがとうございます。頑張ります。

では失礼します」

と無表情で言って上がってきた。


次の日もまた

「お、今日は機嫌悪くない?

あ、そうでもないか…

ねえ、誰かに何か言われたの?

みゆきさんそんなにできたっけ?

なんかすごい的確な動きなんだけど

何があったの?」


としつこいので

つい

「だって、取られちゃうじゃないですか!!」

と言ってしまった。

ああ情けない。

これこそ本心だ。

私の気持ちだ。

そうだよ、私は渡したくないのだ

このポジションを

この係を、この仕事を。


去年の冬、できなくてできなくて

サンボマスターの【輝きだして走ってく】

を聴きながら泣き

backnumberの【SISTER】

を聴きながら泣き

努力して努力して

やっと得た補佐じゃない係。

運動神経のない53歳にしては

本当によくやっている、と私だけは思う。


だけどそんなの

私だけの問題だし、

そもそもパートふぜいが

おこがましいよね

与えられた仕事をきちんとやりゃあいいんだよ

パートっていうのは。

だけど本心を口走ってしまった。


ところが千本は

「え?なんで?誰がそんなこと言ったの?

誰に取られるの、そのポジションを

仮定の話はやめようよ」

と言う。


結局真相は

補佐役を新しく入ってきた女の子に

やってもらおう

という話だったようだ。

なんだ、それならみゆきさんがどうのこうの

って言わなきゃいいのに

それだけ濃いキャラってことか、私が

この前決意表明したのが

印象的だったのだろう


で、オチがあって

結局その女の子はもう退職したんだって

思ってた仕事内容と違った

と言って。

ちょっと私には無理ですって

辞めていったそうだ。



私が異動して7ヶ月くらいの間に

何人も入ってきて何人も辞めていった

それか、短期の契約だ。

こんなにしがみついている私は

珍しいみたい。

それでもあと11年したら

定年退職しなきゃいけない。

その前に体力が続かないだろう。

ロコモアが効かない日がくるのだろうか?

恐ろしい。