私は角田光代ファンである。

あの人の文書と感性とリズムと雰囲気

が大好きだ。

もちろん一度も会ったことがないが

私は一方的に大親友だと思っている。


その私が【今日もごちそうさまでした】

という本だけは

つまらないと思った。


これは食べ物に関するエッセイで

毎回1つの食材がテーマになっていて

思い出話やら調理法やらが書かれている。


憶測だけど、オレンジページとかに

書かれてたエッセイをまとめた物なのかも

そんな雰囲気。


料理好きな人なら

毎日お料理してる人なら

絶対面白い本だと思うの。


でも私は、読んでて眠くなっちゃう。

本当に異常なくらい

料理が嫌いなんだなあ……

あらためてそう思う。




さて今日は、夫が町会の行事の手伝いで

朝早くから出掛けていった。

私は家の事をしてから、乳がん検診に行った


日曜日も時々やってる、

その日のうちに結果が出る

人気の病院である。

今回も異常なし。

ありがたい。


そしてその後、喫茶店に行ったら

大繁盛で、

隣の席の人に相席をお願いしていた

のを見て、

「ママまた来るよ今日は帰るね」

と言って、座っただけで帰ってきた。


家に帰って眠った。

起きた時思ったけど、

昔は定休日は寝て過ごしてたなあ


当時は

娘は学校だし

夫は朝私を起こして私と  して、

どこかへ出かけてゆく。

そして一日ずうっといない。

やって  から出て行くから

変な疑いもしなかった。

したとしても、出がらしでしょ?

と思ってた。


娘は彼氏のおうちで

晩ごはんをご馳走になって帰ってくる

彼氏のお母さんと洗い物をするらしい。

1、2回果物を送ったり

彼氏を外食に連れ出したりして

それがお礼のつもりだったけど、

あちらのお宅は毎日のことだ。

迷惑だったろうな


こんな、

家庭崩壊のような健全な自由のような

不思議な日々だった。


私はといえば、

定休日はずうっと眠っていた。

目が覚めてなんか食べてまた寝る

夜になってお風呂に入ってまた寝る


起きている時は

夫に買ってもらった指輪を

ケースに並べて

雑誌のアクセサリー特集の写真の

切り抜きをクリアファイルに入れた物

を眺めながら

私の指輪の方が可愛い

と思いながら見比べた


それが私の楽しみの全てだった。


誰ともしゃべらず

テレビも見ないので

翌営業日は

お客さんの話題についていけず

どんな大事件も知らなかったから

よくびっくりされたものだ。


大切なのは夫との恋愛ごっこだけ

しかも恋愛ごっこをしているのは

私だけ。

夫は参加していない。


そんな人間に居酒屋のママなんて

務まろうか?


人から見たらつまらない休日だが、

私は休日が待ち遠しかった。

誰も話しかけてこないのが嬉しかった。

野球の話も

相撲の話も

子供の話も

料理の話も

だぁれも話しかけてこない

それが幸せだった。

だってわかんないんだもん、

全部、全部。


今日はあの頃の感覚を思い出して過ごした


夜になって久しぶりの居酒屋さんに

夫と行ったら

その頃のお客さんがいた。


おおお、引き寄せた?

何の責任もないから

適当に話せる。

幸せになったな、私。


調子よく相づちを打っていたら

「ママ可愛くなったな」

と言われる。

険が取れたように見えるのだろう



アマプラで【ある男】を観た

これ、映画館で観たいと思っていたが

観なくて正解だったかも。


入れ替わりの謎解きと

一人の男の人生 

そして弁護士の生い立ちも含め

世間の偏見と差別

にも触れているけど、

けど、

うーん

それで?って感じ。

安藤サクラの演技は自然で上手いけど。


不自然な点を、みんな田舎のせいにしてる

ような設定。

逆に田舎の方が、親戚付き合いとかで

不審がられるんじゃないのかなあ?


なんかもっと

ひょーっと忘れられないような、

死も病気も出てこないのに

心にズドンとくる物が観たいのにな。