僕は訪ねてくるお客さんが大好きだ。



 宅配のお兄さんだろうが、近所のおばさんだろうが、けんちゃんの友達だろうが、男だろうが女だろうが、人間ならば、その人の周りを、小さな舌をチロチロ出しながら後ろ足だけでピョンピョン飛び跳ね、前足でおいでおいでをしながら大歓迎する。


 


 あれは、確か僕がこのうちに来て間もない頃。


 僕がけんちゃんに拉致られて、深夜の街をうろつき、疲れ果てて帰ってきた日のこと。


 見知らぬ人間が、うちの洗面台で顔を洗っているではないか。

 洗面所のドアの影からこっそり観察していると、僕に気づき、しゃがんで手を広げてきた。


 それが、僕とゆみちゃんの彼との初対面だった。


 僕は、初対面の彼の胸に飛び込み、ペロンペロンと顔を舐めることにした。


 そのしぐさがよっぽど無防備で可愛かったらしく、


 「こいつは俺が一生守ってやる」と、ゆみちゃんの彼は思ったらしい。


 それ以来、彼は遊びに来るたびに、僕のために服を買ってきてくれたり、

 時にはゆみちゃんの目を盗み、おやつを大量にくれたりする。



 だから、ゆみちゃんの彼は、僕の「お気に入りの人」になっている。