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2024年6月27日読了

 

内容

妻に出て行かれたサラリーマン、声しか知らない相手に恋する美容師、

元いじめっ子と再会してしまったOL……。

人生は、いつも楽しいことばかりじゃない。

でも、運転免許センターで、リビングで、駐輪場で、奇跡は起こる。

情けなくも愛おしい登場人物たちが仕掛ける、不器用な駆け引きの数々。

明日がきっと楽しくなる、魔法のような連作短編集。

 

男女の出会いの物語から恋愛に至った6つの連作短編集。

アイネクライネ、ライトヘビー、ドクメンタ、

ルックスライク、メイクアップ、ナハトモジーク

 

可愛いらしいイラストの表紙カバーだったので思わず手に取りました。

イラストからほのぼのとしたイメージで表紙の帯に

「部屋の中にも、ワクワクがいっぱい」と書かれていたので、

お家の中で癒されるものが描かれているのかと思ったら

全然違った内容でした。

 

この小説はミュージシャン斉藤和義さんから「恋愛をテーマにしたアルバムを作るので、

出会いにあたる曲の歌詞を書いてくれないか」と依頼をされたのが始まりだそうです。

けれど伊坂さんが作詞はできないので小説を書くことでお手伝いをしたという

のがきっかけだというのがあとがきに書かれています。

 

斎藤さんが作った「ベリーベリーストロング~アイネクライネ」は聞いたことが

無いのでこの作品とどうリンクしているのかが分からないですが、

この作品の中で好みだった「アイネクライネ」だったので

何となく想像しながら読み進めました。

 

伊坂さんの作品は何冊か読んでいますが、

あまり恋愛小説は読んだことが無いので今回の作品はちょっと違った印象で、

何となく全体的にぼんやりとした印象でした。

時系列が少し難しい所がありましたが、

登場人物がふとした所で繋がりがあっていて、

それが面白く、特に最後になると展開図のように全体が

分かるようになると更に面白かったです。

 

「アイネクライネ」の他にも「ルックスライク」と「メイクアップ」も

好みでした。

「ルックス」では運転免許更新場で偶然にも自分と同じ性格のような

人と出会うことになって、またその後も出会ったりするなんて

偶然するぎる展開に楽しめました。

「メイクアップ」ではよくドラマなどでは学生時代の同級生や友達に

卒業してからその後偶然出会うということがありますが、

それが同じ仕事で合ってしまってからの展開がドキドキ感が

あって良かったです。

果たして彼女は昔の友達に仕返しをするのか?

それとも他の方法をするのかと想像は膨らむばかりでした。

けれどその作品でも嫌な後味を残すことない終わりだったので

ほのぼのとしました。

 

日常の一コマを切り取ったような出来事が綴られて、

そこから様々な人との繋がりから全ての人達が

幸せになっていく連鎖のような物語だったので

じんわりと後から温かさが伝わるような作品でした。

あの時、あの人に出会って良かったと

思われるような人との出会いを大切にしたいとも思いました。

 

 

 

 

 

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