2024年1月14日読了

 

内容

1度限りの大トリック!
たった1度の大トリック!劇中の殺人は真実か?
俳優志願の男女7人、殺人劇の恐怖の結末。
早春の乗鞍高原のペンションに集まったのは、オーディションに合格した男女7名。

これから舞台稽古が始まる。豪雪に襲われ孤立した山荘での殺人劇だ。

だが、1人また1人と現実に仲間が消えていくにつれ、彼らの間に疑惑が生まれた。

はたしてこれは本当に芝居なのか?驚愕の終幕が読者を待っている!

 

東野さんの作品は好きなのでこれまでに何冊も読んでいますが、

初期のものはあまり読んでいないのもあり、

今回は映画の原作ということで手に取りました。

 

オーでションに合格した俳優男女7人が

演出家の指示で雪に覆われた山荘の中で舞台稽古を開始する。

やがて一人ずつ仲間が消えていくという。

果たしてこれは本当に芝居なのか、それとも現実なのかというミステリー。

 

山荘が舞台になっている作品は今まで読んだ中にも

幾つかありましたが、この作品ではそれが芝居なのか現実なのか

分からないもどかしさだったり、今までには無いタイプの作品でした。

 

叙述トリック作品ということもありますが、

その前に人物の相関関係を掴むのも頭の中が混乱しそうでしたが、

それ以上にトリックなどを見つけるのが難しかったです。

ラストに近づいてきた頃にやっと事態が呑み込めましたが、

犯人の動機が分かると人間らしい切なさも感じる所もありますが、

少し自分勝手な所が目に付きそれが現実離れした

トリックに繋がったのかなと思いました。

 

叙述トリックというのを今まであまり意識して読んだことがないので、

この作品が叙述トリックが優れている作品かどうかは判断しかねます。

ただストーリーとしては面白いかと思います。

 

東野さんの作品といえば物理的、科学的なトリックが多い

印象ですが、解説によるとこういった本格派のミステリーが

描けれるからそれから派生して幅広いトリックがある作品が

描けるというのが納得出来ました。

 

これが映画化されるというのでどんな風になっているのかが

とても気になります。

機会があったら観てみたいです。