巷ではお盆休みになっているようですが、

我が家は休みはないので今日も通常通りの生活です。

昨日から台風8号の影響で一日中雨です。

土砂降りに降ったりやんだりとしていましたが、

時間が経つにつれてかなりの大雨になっているので

今後も注意しないといけないです。

被害が大きくならずにさっと過ぎ去って欲しいところです。

 

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2022年8月2日読了

 

内容

「二谷さん、わたしと一緒に、芦川さんにいじわるしませんか」
心をざわつかせる、仕事+食べもの+恋愛小説。
 

第167回芥川賞受賞ということで手にしました。

 

新しい職場の配属され、美味しい食事に必然性を感じない男性の二谷さん、

身体が弱く、料理上手で上司にえこひいきされている女性の芦川さん。

仕事が出来て頑張り屋さんではっきりとしている女性の押尾さん。

この三人を中心にして微妙な人間関係を「食べること」を

通して描かれています。

 

本のタイトルと表紙のイラスト、

そして今までいくつかのご飯小説を読んできたことから

想像するとほっこりとして癒される内容だと思っていましたが、

読み進めていくと全然違っていたのに驚かされました。

 

二谷さんと押尾さんからの視点では描かれていますが、

芦川さんからの視点が描かれていなかったので、

もう少し深掘りしてみたいという意味もあって

描いてあったらもっと面白いなと思いました。

 

不穏な空気の中かからも微妙な人間関係が

リアルに描かれているので、こうゆう人達って何処かに

居たかなと思ったり妙に納得してしまう気持ちになりながら

あっという間に読んでしまいました。

 

芦川さんの体調が悪いのに仕事を退社したのに、

途中で治ったからとお菓子作りをして翌日の会社に

持ってきて職場のみんなに配っているという

この行動がよく分からないし、常に男性の目を意識して

行動しているのも好きになれなくて

こんな人とは友達になりたくないし、

同じ職場にいたら嫌だなと普通に思ってしまいました。

 

けれどこうゆう裏の事情も分かっているのに、

何食わぬ顔で接している二谷さんも好きにはなれないです。

食に対しての考え方が特に極端で時々発する

ただ毎日生きていくために、体や頭を動かすエネルギーを

摂取するための活動に、いちいち「おいしい」と

感情を抱かなければならないことやそれを言葉にすることが

疲れる。と言ったような言葉が余計に彼の印象が悪く感じられました。

 

本当は押尾さんのちょっとしたいたずら心から

こんな人間関係になったのかと思いますが、

何故か押尾さんが自分に素直で実直に普通に見えてしまうというのが

何とも不思議な世界でした。

 

「みんな自分の仕事のあり方が正しいと思っている。

 違うルールで生きている。」

 という言葉が印象的でこれが仕事をしている時の

それぞれのスタンスでもあるかなと思ってしまいました。

 

食べ物の嗜好は夫婦になっても同じということはないので、

これだけ食べ物に関して、

二谷さんと芦川さんのように両極端である考え方だと

なかなか二谷さんの思い描くような未来になるのは

難しいと思いますが、こんな状況になっても今まで通りの

二人でいるのかどうかも少し気になりました。

 

タイトルにある「美味しいご飯が食べれますように」

というのが読了後になると芦川さんの呪文のように

思えてきてちょっと怖くなってしまいました。

 

独特な雰囲気の作風でしたが、

日本の会社、仕事、人間関係をよく観察されて

描かれていて興味深くて面白かったです。

 

まだ高瀬さんの作品はこの作品が初めてなので、

これをきっかけに他の作品も味わってみたいと思いました。

 

 

 

 

 

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