2020年7月4日読了
内容
52ヘルツのクジラとは―他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。
たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。
そのため、世界で一番孤独だと言われている。
自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。
孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれる―。
王様のブランチで紹介されていて興味を持ったので
手に取りました。
主人公の女性の半生が
家族から虐待や搾取されていたこと、
母親に虐待されていた少年の事を読んでいたら
こんなにも残酷なことなのに誰にも
本当の事を言えず声をあげることが出来なかったということに
とても心痛み涙を何度も流しそうになるのを堪えて読んでいました。
主人公の女性は人生のどん底をずっと歩いていても
何度か彼女の心の声を聞いてくれる人が表れた時には
本当に良かったと心から思えましたが、
自分で心の底から尊敬していた人物が
実はそれが仮の姿であったことを知ってしまっい、
それからの彼女の心境もまた一波乱あってしまい
本当の事を突き止める前にまた一つの苦しみを抱えながら
生きていくことになってしまったことが本当に読んでいて
辛かったです。
虐待された少年を何とか救い出そうしている様子が、
自分が虐待をされて心を痛めたということもあり、
色々なことを考慮しながら少年の心に寄り添いながら
心の距離を縮めている様子がとても良かったです。
ラストの二人にはこれからの未来を
明るく背中を押して応援してあげたくなるような
気持ちになりとても微笑ましい姿でした。
52ヘルツのクジラというのは、
世界で一番孤独だと言われているクジラ。
その声は広大な海で確かに響いているのに、
受け止める仲間はどこにもいない。
今もどこかの海で届かない声を待ちながら
自分の声を届けようとしているクジラのことです。
クジラだけでなくこの作品のテーマとして虐待やネグレクト
といった社会問題になっていることがこのクジラの事を
例えとして声をあげているので、まだ見知らぬ場所で
苦しみを抱えている子供たちの声が少しでも
聞こえるよう社会になれば良いと思いました。
それ以前に虐待やネグレクトといったことが起こらない
社会や家族を作ることも大事だとも思いました。
町田さんの作品を初めて読みましたが、
心理描写や情景などか繊細に描かれていて、
舞台となっている大分でののどかな風景などは
目に浮かぶように美しく描かれていたので
読んでいて心地良かったです。
この作品をきっかけに他の作品も読んでみたくなったので、
これから注目していきたいと思いました。

52ヘルツのクジラたち
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