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2020年1月19日読了

 

内容

「君にまだずっと恋してるって言ったら信じますか?」

亡くなった姉の未咲の代わりに同窓会に出た裕里は、

初恋相手の鏡史郎と再会し、

姉のふりをして文通を始める。

手紙は姉妹の娘たちをも巻き込み、

二つの世代の時間を動かし始めた

―不朽の名作『ラヴレター』から24年の時を経て贈られる、

岩井美学の到達点。

 

映画の公開のCMを観て気になったので手に取りました。

 

「これは君の死から始まる物語だ。」

という言葉から始まり、何か重いものを突き付けられたような

ものを感じながら淡々と物語は進んでいき、

ラブレターを読み上げてられたような感覚になりました。

 

主人公は売れない小説家、中学校時代の初恋の人の想いをいつまでも

引きずりながら、同窓会へ行き、そこで彼女の妹と再会。

何故か妹は姉のふりをして文通を始める。

そこから物語が過去と現在、表と裏を交差しながら

展開されていき、ノスタルジックな雰囲気や

少しロマンチックな雰囲気などがあり、

点かず離れず、近くて遠いというようなものもあり

これが大人のラヴレターなのかなとも思いました。

 

あまりにも主人公が中学時代の初恋の想いを続けているので、

切なすぎて最後には自らの命も危ういのではないかと

思いながら読みました。

もう中学校を卒業してから何十年の年月が経っているのに、

これほど一人の一人を想い続けるなんて

本当に凄いと思ってしまいます。

というか中年の男性というのはこれほどまでロマンチックに

考えてしまうのかとも思えてしまいました。

もしこれが女性だったらもう少し話の展開が変わるかとも

想像してしまいました。

 

この世は何もかもが偶然だ。

偶然の集積によってこの世界は出来上がっている。

だからその出来事ひとりひとりが、

かけがえのないものかもしれない。

この言葉が印象的で、

この後からの主人公の行動が今までとは少し

違ったので今後がとても知りたかったです。

 

今はネットの時代でこの作品の中に出てくるような

手紙でラヴラヴレターを書く人は殆ど

いなくなってきていると思います。

だからこそこんな時代だから手紙の良さがより分かり、

手紙を通じることで彼女と繋がり、

そして自分の想いも彼女の想いもしっかりと

反面教師となって自分に降りかかることになってより現実的で

意識の再確認だと思えます。

なのでこうゆう大事なことはネットなどに頼ることはなく、

自分の心を込めた作業で相手に気持ちを伝えることを

大切にして欲しいなと思いました。

 

以前の「ラヴレター」は本で読んだことはなく、

確か映画版で少し観たような記憶がありますが、

どんな作品だったかはあまり覚えていないです。

けれど岩井監督の世界感は他の映画などでの

何となく知っていて独特なので、

この作品だけで評価をするのはとても難しいです。

 

ただ彼女の手紙の中で

何で二人で作った答辞の原稿を我が子二人に送ったのかが

とても気になります。

 

この独特な雰囲気は本だけでは分からないので、

機会があったら映画も合わせて観てみたいと思います。

 

 

 

 

 

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