昨日は池袋で行われました「やまとオープンカレッジ プレセミナー」に参加してきました。
ご存知の方も多いと思われますが「やまと」とは今年の1/26にテレビ東京「カンブリア宮殿」で放送されました、在宅医療の現在の問題点への取り組みと、新たなシステム作りをされておられます「やまと診療所」の事です。そのやまと診療所院長の安井先生の講義を聞いてまいりました。(番組を見ておられない方はカンブリア宮殿のバックナンバーにやまと診療所の取り組みと安井先生の経歴、理念などが載っております)
今回、なぜセミナーに参加しようと思ったのか?詳しい事は当院HPの「当院からのお知らせ」に書いてありますが、この安井先生の素晴らしい取り組みに感銘を受けたのも事実ですが、「死」と「痛み」の違いはあれど患者さんと向き合い方、姿勢、理念など共通すること、学ぶべき事がたくさんあると感じ参加を決めました。
実際に参加させて頂き、痛み治療と終末期医療の共通点が多いことにおどろきました。
私も認識の中で、死の間際、末期ガンなどでの死は苦痛を伴うだろうと思っておりましたが、実際は痛みで苦しむ事は稀だそうです。
ガンを恐れる理由として「死」というものがあると思いますが、それ以上に「苦しむ」だとか「激痛を伴う」などのイメージがあるのだからでしょう。
確かに治療内容や環境などで違いはあるとは思いますが、末期ガンや死に対する先入観が恐れを増幅させていのだろうと思いました。大半は安らかな最後だそうです。
痛みも怒りや不安、悩み・恐怖などが痛みを増幅させ治りにくくさせてきます。
「命の期限」を宣告され、現実に「死」を突きつけられた時の感情はいか程のものかと思います。そのような中での安井先生を始めとしたやまと診療所の取り組みは「自宅で自分らしく死ねる。そういう世の中を作る」こと。
そのためには患者さんと向き合い、関係を築きながら患者さんに当事者意識を持ってもらう事が大切だとおっしゃっておりました。
自分の人生の主人公であると。
そしてその意識を持ってもらうには最後まで自分らしく生きるための「行動」してもらう事だと言っておられました。
最近、よく「アドラー心理学」を読むようになりました。アドラーさんも「運動(行動)を信じなさい」という言葉を残しておられます。
そして勇気とは行動すること。自ら進んでリスクの伴う行動を引き受けることが勇気であると言っておられます。
痛みでも死でも少しの勇気を持つこと。
そして患者さんと向き合い、課題を共有し、一歩踏み出す勇気を持って頂くことが痛み治療の本質であり私の仕事だと思っております。
アドラーさんの言う「勇気づけ」でしょうか。
勇気づけとはその人の価値を認め、その人が自分自身で問題を解決できる人間と信じること。「ありがとう」「感謝」「助かった」
「人は治す力を持っている」
私はこのことを信じて行きます。
アドラーさんがそうだったように、安井先生も人間関係を「縦」で結ぶのではなく「横」で結ぼうとする方なんだという印象を持ちました。
またたくさん学ばせて頂きました。
ありがとうございます。
「相互尊敬」 「相互信頼」