『ザ・ヴォイドー変異世界ー』
2016/監督:ジェレミー・ギレスピー、
スティーブン・コスタンスキ
1970〜80年代の名作ホラーにインスパイアされて撮影されたショッキングホラー。
保安官ダニエルは、深夜のパトロール中に血まみれの男性を発見し、1番近隣の小さな病院へと連れて行く。
そこは少し前に火事があり、数名の医師と少しの患者のみが残る、移転前の病院だった。
突如として奇行に走る看護師、パトカーの無線で連絡を取ろうにも繋がらず、ナイフを手にした白装束に襲われ、命からがら病院内へ逃げ帰るダニエル。
「人ならざるもの」に変異していく人、病院を包囲する白装束…そんな中、銃を持った男性2人が乱入してきて…
事態の把握も敵も味方もわからないまま、姿を消した看護師の妻を探すため、地下へ行くことになるが…
たまにやってくる「クリーチャーに為す術なくやられる映画が観たい!」欲求を満たすべく、
クリーチャー好きの方がこぞってオススメしていた『ザ・ヴォイド』を観賞。
『遊星からの物体X』と『サイレントヒル』を足したような、不気味でうわ〜!となる映画🎞️
『遊星からの物体X』は宇宙人もの、『サイレントヒル』は日本発のホラーゲームを主軸にしたファンタジー異空間って感じだけれど、
『ザ・ヴォイド』はクトゥルフ神話(H・P・ラヴクラフトにより創始された架空の神話。気になる方は検索🔍してみて!)を元にした「宇宙的恐怖(コズミック・ホラー)」の映画であるとされている。
話の筋としては、「子供を亡くした父親」に焦点が当てられ、自らは産み出すことが出来ない男性、未知なる恐怖が産まれてくるという父親になる不安など、
そこに何かしらの贖罪を抱えて生きてきた男性がキャラクターとして多数出てくる。
その罪の意識を利用してか、異空間・異世界からの未知なる存在が干渉し、禁忌の扉を開かせる…
みたいな感じなのだろうけど、ハッキリと未知なる存在が出てくる訳では無いので、
あくまでワクワクと考察する余地がかなり残されて終わる、そんな感じでした。
何より、この映画の醍醐味は、人間が変異したクリーチャー。
ほぼCGを使わず、実際に作っているのだとか!
生々しい肉塊、血みどろな感じは、お手製ならではのリアル感が凄まじかった。
わりと構えて見ていたけれど、派手な脅かし演出はなく、走って追いかけてくるとかなく、スッと佇んでいたり、静かに話していたり、静かに振り向いたり…笑
けれど、1時間半、みっちり濃厚な不気味で異様なホラー感漂う、まさにコズミック・ホラーなゾゾゾ感を楽しめる作品でした
途中、画面がチカチカする演出も何箇所かあったので、苦手な人は注意です⚠️
死を超越した異形のクリーチャーに変身させられてしまった人…
バイオハザードのように、自我が無くなるゾンビになったり、
エイリアンのように、増殖する媒体として使われ、すぐ死ねるなら良いけれど、
意識わりとありそうで、死なない異形になるのは…絶対嫌だなぁ…と心の底から思った。
クリーチャーもぶちゃぶちゃだし、胸糞悪い感じもある映画だけれど、
最初に書いた「クリーチャーに為す術なくやられる映画が観たい!」欲は、めちゃくちゃ満たされてスッキリしてる。笑
初見はビビりまくってたけれど、2回目以降は若干笑えそうな、それくらい振り切った映画。
観賞は自己責任でお願いしたい、そんな映画でした
ガーディアンズとか、銀河鉄道999とか、とにかく異星人が出てきたり、銀河を旅したり、未知なる世界を探索したりと、宇宙ものが好きな私だけれど、
「宇宙的恐怖(コズミック・ホラー)」はわりと作品を選ぶなぁと感じました
でも、新規開拓出来たような、これからも色々探して観賞して行きたいです!