『ペネロピ』
2006/監督:マーク・パランスキー






先祖が魔女にかけられた呪いのせいで、豚の鼻と耳を持って産まれたペネロピ。

呪いを解く方法はただ一つ「ペネロピと同じ名家の“仲間”が、ペネロピに永遠の愛を誓うこと」。

その容姿から、外に出してもらえず、死んだことにされ、屋敷の中だけで完璧な花嫁修行を施され育てられたペネロピは、集められた名家の子息とお見合いを繰り返すも、皆ペネロピの顔を見て逃げ出してしまう。

そんな中、とある事情からお見合いに潜入していたマックスと、心を通わせていく。

彼女が姿を現しても逃げなかったマックスだが、ペネロピの決死のプロポーズを断ってしまう…

この生活に嫌気がさしたペネロピは、ある晩、マフラーを巻き鼻を隠して、ついに屋敷を飛び出していく。

初めて見る外の世界で彼女を待っていたのは、思いもよらないものだった…



とてもファンタジックで心温まるラブストーリー。

ラブストーリーと言っても、「相手」とのではなく、「自愛」「ありのままの自分を自分で愛してあげること」をテーマにした、自身を愛することの大切さがたくさん詰まった映画🎞️


映画を彩る色彩、ペネロピの部屋のセットや服装、濃いグリーンと印象的な赤で彩られたペネロピの世界は、どこか異世界のよう。

思い込みや偏見で閉じ込められてしまったペネロピ。

“呪い”は、彼女をそのように追い込んだ環境と、彼女自身がかけてしまっていたもの。

もっと早く解く手立ては、きっとあったんだと思う(母親のセリフでも出ている)。

現に、ペネロピは外の世界で、彼女の顔を見ても驚き逃げない人々に出会う。

何かしらコンプレックスがあったり、傷を負ったもの同士が出会うと、お互いを理解して支え合うことが出来る。

「誰か」に愛し認めてもらうこと、「誰か」に幸せにしてもらうこと、ではなく、

誰もが「自分自身」で、自分を愛し、自分を幸せにし、自分を自由にすることが出来る。

待つだけのお姫様ストーリーではなく、ペネロピ自身が自由な人生を切り開いていく…

“愛されないと幸せになれない”呪いを解いたのは、“私が私を愛している”という最大の自愛だった。


とても素敵なメッセージが込められた映画の中で、一際目を奪われるのが、

吸い込まれそうな青い瞳と、傷を負った悲しげでやさぐれだマックス役のジェームズ・マカヴォイのカッコ良さ。

ペネロピ役のクリスティーナ・リッチもとてつもなく可愛くて、ペネロピ役がピッタリなのだが、

もうジェームズ・マカヴォイのカッコ良さに全てが持っていかれる笑い泣き

最近では変わった役どころの多い俳優さんではあるけれど、こういう恋愛系とかもっと出て欲しい〜。

語彙力が無くなるほど、本当にカッコいいです!



周りに左右されず、生きて行ける強さと行動力が誰にでもあれば、みんな幸せであると思うけれど、

家柄や環境、抜け出せない“何か”に縛られて、自分自身と向き合う間もなく、人生のレールを生きていく人が大半だとは思う。

どっちが正しいということもないけれど、どんな境遇に置かれても、“自分自身を愛すること”を省みたり、大切に出来る選択や時間を作る努力は

きっと誰にとっても大切な事なんだと感じる。

自分を縛っているのは、きっと自分自身。

不可能は無いし、少し見る視点を変えてみる、大きく物事を捉えて見てみる…

それだけで、きっと自由で幸せに繋がる選択肢が沢山あることに気づける。

…あと、どんな自分でも受け入れて一緒に歩んでくれるのは、“自分”しか居ない。

自分で自分を殺さないで、愛して生きていってあげようおねがい



可愛らしく、ファンタジックで、勇気をたくさん貰える映画🎞️

自分のコンプレックスを、自分の好きなところに変えてしまえる、そんな映画✨

どんな自分にも“セルフハグ”を、“セルフラブ”を…✨