『変態小説家』
2012/監督:クリスピアン・ミルズ



児童作家から犯罪小説・脚本家への転身を図るべく、ビクトリア朝時代の連続殺人事件を研究していた主人公ジャック。

しかし、いつしか自分が殺人鬼に狙われていて殺されてしまうと誇大妄想を抱くように。

恐怖のあまり、家からも出られず、眠ることもできず、どんどん追い詰められていくジャックだが、

長年の付き合いの出版エージェントから、ハリウッドの大物が彼の作品に興味を示していると連絡を受ける。

意を決して家から外へと踏み出したジャックだが、更なる恐怖が彼を襲う…!



サイモン・ペッグが、妄想に取り憑かれた小説家の主人公ジャックを怪演した、イギリス製のブラックコメディホラー。

それにしても、邦題が酷すぎるびっくり

原題は“A Fantastic Fear of Everything”(全ての素晴らしい恐怖)で、恐怖に取り憑かれた作家の極限な様子がなんとなく伝わる。

『変態小説家』って…笑

でも、言わんとしてる感覚は伝わるので、悪くはないのかな…笑


わりとホラー要素がしっかり入っていて、結構ドキッと怖いシーンも。

映画構成も、撮り方の構図や間合い、途中ストップモーションシーンが入るなど、とっても面白い!

ファンタジックな表現や、ジャーン!という恐怖を煽る音楽や急なヒップホップ…サウンド構成もかなり面白い。

セットもかなり細かいし、凝った映画だ!と思った照れ

あと、この映画の醍醐味は、やっぱりサイモン・ペッグの一人芝居!怪演!

ほぼほぼ一人芝居な今作、観ていて飽きる瞬間が一時も無いくらい、緩急つけた演技、可愛らしくそれでいて頭のおかしいコメディたっぷりの演技。

わりと汚いブリーフ姿。笑

彼でなければ面白くなかっただろうなぁと言うくらい、ガッチリマッチしていた。


話の内容も、幼少期のトラウマから、恐怖が増大してしまい、妄想が暴走してしまう、その筋道もしっかり描かれていて、

うーん、うまく作られているなぁと、面白さと怖さで作品を味わう余韻がかなり長い。

たまにはこう言うマニアックで濃い味な、ドロドロのゲテモノスープ感漂う映画もめちゃくちゃ面白いおねがい



物語構成、撮影技術・映画の構成、そして俳優の演技力、文句なしでお腹いっぱいになるブラックコメディホラー。

正統派は飽きちゃったなぁという時にでも、怖いもの見たさで挑戦してみるのも良いかなと思う映画でした照れ