『NOPE』
2022/監督:ジョーダン・ピール



SFスリラー映画。
カリフォルニア郊外にあるヘイウッド牧場。
映画などで使う馬を調教してきた牧場だが、半年前に父親が空から降り注いだ異物により謎の死を遂げる。
残された息子OJと妹のエメラルドは、経営難のため、近くのテーマパークを経営する元子役俳優のジュープに馬を少しずつ売ることでなんとか暮らしていた。
やがて、牧場とその周辺で謎の飛行物体の目撃や怪現象が続き、その姿をなんとか捉えて映像を売ってお金を稼ごうと考えるが…


題名である「NOPE(ノープ)」は「無理」という意味であって、
まずこの題名と予告で興味をそそられる。
UFOが出てきてー、宇宙人出てきてー、襲われるやつかなーっなんて「いつもの宇宙人系SFねー」と油断して見ていると、
結構私は予想を裏切られて、131分と長めだけど、グッと惹きつけられて
ワクワク、ハラハラとすごく楽しめた。
しっかりと「間」を使ったシーンが多くあって、その間がなんとも気持ち悪さや、映画の不規則なリズム感を作り出している。

UFOでなく、それ自体が生き物で、吸い込まれた人たちがみるみる溶けていくシーンは、ゾゾゾーっと背筋が寒くなったし、
地球外生命体のソレのカタチが、予想以上に変形して行き、最後の方はわぁ〜っという気持ちに…
ただ、明るい昼間にカラフルな誘導アイテムを使うなど、暗さで恐怖を煽るホラー系とは違い、またそこがなんとも気味悪い。

地球外生命体の圧倒的大きさや存在感で、恐怖と絶望を心いっぱい感じてしまいそうなものだけど
主役のOJの存在で「何とかなるんじゃね?!」という、大声で応援したくなる、一丸となって敵に挑む、
そんな気持ちでラストは一緒に戦っていた。
多くは語らないけど、その不動の冷静さ、分析力、絶対負けなさそうなOJの堂々たる姿がとても頼もしく、
「いけー!OJー!」みたいな気分で鑑賞していた。


ありきたりなSFスリラーではなく、一味違った気味の悪さがより映画を面白くしていて
個人的に「好き」で見終われた映画でした照れ

見終わる頃には「NOPE!!」と無駄に叫びたくなる、癖になるスリラー映画でしたグラサン