『メトロポリス』
2001/監督:りんたろう
原作手塚治虫の『メトロポリス』を、
りんたろう×大友克洋で描く、都市国家「メトロポリス」で繰り広げられる悲しく美しい物語。
生体を使った人造人間の開発で問題となり、国際指名手配になっているロートン博士を探すため
人間とロボットが共存する巨大都市国家「メトロポリス」へとやってきた
私立探偵のヒゲオヤジと少年ケンイチ。
ロートンの秘密研究所が放火され、逃げ遅れた不思議な美しい少女ティマと出会い救ったケンイチ。
「ワタシハ、ダレ…」と呟くティマと、陰謀渦巻くメトロポリスの運命に飲み込まれていくケンイチの物語…
正直に話すと、お話の内容としては核心が掴めない、「だからなんだ?」と酷評もされるようなアニメ映画である。
ただ…作り込まれた映像美、隅々まで描かれたメトロポリスの街・人・ロボットの美しさ、
輝くようなティマの存在、
ティマのために奔走する真っ直ぐな少年ケンイチの熱い想い、
そしてサウンド…
これ以上のアニメ映画は無いのではと思うほど、私は惹かれ、何度も何度も見ている映画です。
映像の色味も素晴らしく、物悲しくもあり、儚くもあり、
本当に魂を込めて作られたアニメ映画であると思う。
メトロポリスの主要なキャラクターよりも、ティマよりも、
私はケンイチがとても好きだ。
他所の国の事情に深く巻き込まれ、それでもティマのために奔走する直向きなケンイチ。
ロボットと人間、ティマとケンイチの繋がる思い、絆。
分け隔てなく、思い遣りの心を持って接するケンイチの心の美しさ…
彼の涙に、私も涙した。
ストーリーは賛否あるけれど、
アニメーターや製作者、多くの技術者の魂が込められた圧巻の映像美。
アニメ好きには、ぜひオススメしたい作品です