ピンクリボン月間8 乳癌治療の進歩 ザンクトガレン2007以降のサブタイプ別治療へ | HER2タイプ乳癌ステージ3C 経過観察中シングルマザー

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HER2タイプ乳癌のこと、治療のことなどを書き残しておこうと思います。温かい目で見守っていただければ、幸いです。アメンバー申請、コメント、メッセージ、リブログについては、「はじめに(私のスタンス)」テーマ内の記事をご一読下さい。

ご訪問ありがとうございます。

先の記事で、乳癌治療の歴史を変えた
バーナード・フィッシャー先生の
フィッシャー理論から

乳癌治療は、手術+放射線+薬物
の集学的治療に変化(進歩)して、

20~30年前に比べれば、
手術は縮小化してきた、
ことを書きました。

(一部、進行の速いタイプで、大変な手術を
 するケースはあり、私のブログの読者さんで
 私と同時期に、小胸筋まで取った方とか
 炎症性乳癌で皮膚の移植で大規模な手術が
 必要だったとメッセージを下さった方も
 いらっしゃいました。
 因みに胸骨傍リンパ節まで取ったという方
 には巡りあっていません。)

私がホルモン非反応でHER2強陽性
乳癌患者(罹患者、サバイバー)だから、
自分で理解し知っている、

ホルモン陽性、HER2陰性に比べて
予後が悪い種類、サブタイプ
(患者集団で見れば)

という
医学的事実をブログに書いたことで
散々バッシングされましたが、

実臨床で多数の乳癌を診てきた医師の
先生方は、皆さんご存知でしょうし、

書籍を出しているまっとうな医師の先生方も
同じことを書かれています。

10年ひと昔、10年前であっても、

ザンクトガレン2007では、サブタイプ別の
治療のコンセンサスが形成されていますし

その直後に、乳癌では大きな患者会で
腫瘍内科医として有名な渡辺亨先生も
乳癌治療の歴史とともに、
先の記事で書いたフィッシャー理論も
含めて、語られていました。
 (という記事を発見しました。
  乳癌治療経験者であれば、
  少し感情抜きに考えて理解する力があれば
  容易に理解できると思います。
  とても分かりやすい、貴重な記事だと
  思いましたので、
  12年近く前の記事であること、
  すなわち、そこから12年の進化は含まれて
  いないことを念頭にご一読をお勧めします)


近藤先生の「本物の癌」「がんもどき」
があるだろうな、
というのと同じ話も書かれています。

乳がんの約80%が、ホルモン陽性で
乳がんの約20%が、HER2陽性で
(足して100%というわけではないので注意)

乳癌も多様性があって、
タチが悪い(転移しやすい)乳癌は、
癌の顔つき、グレードで表すのですが、

「細胞の核がぐりぐりと目玉のように
 見えたり、濃く染まっていたり、
 双子の卵が割れて出て来たような、
 今まさに細胞が2つに分裂したものが
 たくさんあるのがグレード3になります。」
 (引用させていただきました)

まぁ、私の乳癌は、そういう乳癌でした
というのを、生検結果でも、術後に、
化学療法+ハーセプチンで残った癌の
病理検査結果を見ても、
残念ながら、明らかでした。

「グレード1というのは非常におとなしい
   タイプで、正常の乳腺に近い性格を持って
   いるという生物学的特徴があります。
  グレード1はホルモン受容体が陽性の
  可能性が高く、
  グレード3はホルモン受容体が陰性の事が
  多かったり、
  HER2が陽性という可能性が高いです。
  ですからHER2陽性とホルモン受容体陽性
  というのは、逆の関係にあります。
  それもちょっと覚えておいて頂ければ
  と思います。」 (引用させていただきました)

ね、私がブログで書いたことと、
同じことが書かれてますよね。

残念ながら、私のグレード3の乳癌は、
その、「可能性が高い」通り、
ホルモン非反応、HER2強陽性(3+)でした。
これも絵に描いたような教科書通りの
病理検査結果を、病理医の先生の説明付きで
直接、見せていただきました。


「増殖が速く、早い時期から転移を来して
 くるような「全身型」の乳がんもあれば、
 増殖が遅く遠隔転移をまったく生じない
 ような「局所型」の乳がんというのも
 あります。
 ですから一概に全ての患者さんに
 化学療法、抗がん剤治療が必要
 というわけでもありません。
 (中略)
  一人一人の患者さんの
  乳がんの性格を
 まずきっちり見極めて
 どういう性格の乳がん
 あるかということに
 基づいて
 手術、放射線照射などの
 局所治療と、
 抗がん剤、ホルモン治療、ハーセプチン
 などの全身的な治療を
上手に組み合わせて総合力で
がんをやっつけていく
 ということです。」 (引用させていただきました)

「全身型」「局所型」と表現されていますが
近藤先生の「本物の癌」「がんもどき」と
同じ話です。

乳癌診療に長くきっちり携わった先生方
であれば、皆さん、ご存知のことなのでは
ないでしょうか。
患者にどう説明するか、説明しないか、
は、さておき。

それが分かった上で、
殺細胞性抗がん剤を大量に使って
苦しむ患者をたくさん経験して
ハームを避けることに重点を置いて
放置を勧めたのが近藤先生で、

「診断がついた段階で
 あなたは局所疾患です、
 あなたは全身疾患です、ということが
 確実に分かればそれに越したことは
 ありませんが、
 そこがまだまだ医学が十分に進歩して
 いないところで、
「微小転移を伴っている可能性があります」
 とその程度にしかまだ言えません。」
  (引用させていただきました)

から、

抗がん剤を使って
・初期治療での微小転移の撲滅
・転移後の延命
     (癌の増大を抑えて長く生きる)
を図ろうとしたのが
医学界、腫瘍内科医、乳癌学会、
ガイドライン

という違いだと思います。

そして、抗がん剤の使い方は

「転移再発後の治療の場合には、
  抗がん剤の使用量を大幅に減らして
  副作用が出ない形で、少しでも確認できる
  効果が出ているのだったら、
  その効果を続けるように、
  抗がん剤の量を減らして続ける場合も
  あります。

  がんの初期治療の目的は、完全な治癒です。
  ですから中途半端にお薬の量を減らす
  ということはしません。
  決められた量、効果があると確認されて
  いる量、回数をきっちりこなします。」
   (引用させていただきました)

初期治療の場合、目に見えない、
いるかいないか分からない
微小転移を撲滅する目的で、ハームの
大きい抗がん剤治療をするわけなので

微小転移がいる可能性(転移リスク)の高さと
抗がん剤の効果が得られる可能性を
天秤にかけて、
再発転移予防(微小転移撲滅)目的の
抗がん剤治療をするわけですが、

リスク判断には、
ザンクトガレン2007のコンセンサスが
使われ、日本乳癌学会診療ガイドライン
にも反映されています。

▼低リスク
・腋窩リンパ節転移陰性で

・病理学的腫瘍径2㎝以下 かつ
 グレード1 かつ
 広域な脈管浸潤なし かつ
 HER2陰性  かつ
 ER and/or PgR 陽性 かつ
 年令 35才以上

▼中間リスク
①腋窩リンパ節転移陰性で

・病理学的腫瘍径2㎝超 または
 グレード 2,3 または
 広域な脈管浸潤あり または
 ER、PgR共に 陰性 または
 HER2 陽性  または
 年令 35才未満

②腋窩リンパ節転移1-3個陽性で

・ER and/or PgR 陽性 かつ
 HER2陰性

▼高リスク
①腋窩リンパ節転移1-3個陽性で

・ER、 PgR共に 陰性  または
 HER2陽性

②腋窩リンパ節転移4個以上陽性


ーーー

因みに私は、

腋窩リンパ節転移の個数だけでも
高リスクでしたし、

仮に、腋窩リンパ節の転移個数が
少なかったとしても
 (少なくとも1個は細胞診で確定診断の
  リンパ節転移あり)
ホルモン非反応、HER2強陽性だから
高リスクでした。

術前化学療法後の状態も、
腋窩リンパ節がpCRしていたとしても
(不明ですが)

・病理学的腫瘍径2㎝超
・グレード3 
・広域な脈管浸潤あり
・ER、PgR共に 非反応
・HER2 陽性
    (3+→2+にはなっていたけれど)

1つでも当てはまれば中間リスク
(低リスクではない)
のところ、
年令 35才未満  以外は
全て当てはまる中間リスク

もっと早く早期に見つけたとしても
中間リスクであって、
低リスクではない

タチの悪い乳癌だった

ということで、
それをさらにステージ3Cまで
放置しましたから、

ガッツリ集学的治療を行う必要は
誰の目から見ても明らかで、

 (実際、ガッツリ集学的治療を行い、
  結果として)
今、目に見える転移もなく生きているから、
集学的治療の
恩恵にあずかった、
罹患者、サバイバーであると言えます。

だから私は、
自分と同じように
乳癌全体からすれぼ、
約20%の少数派である
転移リスクの高い
ホルモン陰性または
HER2陽性の方々、
その可能性のある方々
(検査してみなきゃ分からないよね)
に向けて、

早期発見、早期治療
  (進行していたとしても
  集学的治療がありますが
  進行していない状態で見つかる
  可能性もあり、その場合、
  治療が軽くて済むかもしれないから)
をお勧めしています。

約80%の多数を占める乳癌向けの
経験者情報も、正確でない情報であれば
惑わされてしまうかもしれない、

進行が速い分、
後で後悔することになりかねないから、

まずは、
乳腺専門医を受診して
しっかり診断してもらい
治療の説明を受けましょう❗️


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