【再掲】乳がん新薬たちの「HER2陰性」という保険適応条件 に思うこと | HER2タイプ乳癌ステージ3C 経過観察中シングルマザー

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HER2タイプ乳癌のこと、治療のことなどを書き残しておこうと思います。温かい目で見守っていただければ、幸いです。アメンバー申請、コメント、メッセージ、リブログについては、「はじめに(私のスタンス)」テーマ内の記事をご一読下さい。

ご訪問ありがとうございます。

一連の記事を再掲してきた主旨は、

       ⬆上記のパージェタのドラッグラグが
           改善されつつある、
          トリネガ・アテゾリズマブの動向です


(特に手術不能な)局所進行乳癌
(ステージ3C、3B)の、
命の賭かった治療で

欧米との5年のドラッグラグ
 (欧米では手術不能な局所進行乳癌
  ステージ3C、3Bの術前化学療法でも
  承認されていたパージェタが、
  日本では未承認で使えなかった)
に悔しい思いをした
一乳癌罹患者である私の心情、

しかし、
そういう悔しい思いをした者から見れば、
ここ2~3年で、医療、薬事承認が、
急速に喜ばしい進歩をしている、
ドラッグラグも劇的に短縮されてきている
と感じて、

何て言うのかな、燻っていた思いが昇華し
医療不信に陥らずに済んだということを
お伝えしつつ、

アテゾリズマブ(テセントリク)の、
手術不能局所進行乳癌も含めた承認を
期待をもって待っている

その補足として、
過去記事を掲載してきました。


アテゾリズマブは
免疫チェックポイント阻害剤なので

ついでと言ってはなんですが、
免疫チェックポイント阻害剤の
特に乳癌に関する臨床試験と薬事承認の
最新の動向を再掲してきました。

私はHER2タイプ(ホルモン非反応)なので
自分に無関係なホルモン陽性の薬剤に
ついては、
基本的にはウォッチもしていないし、
ブログ記事として書くこともないのですが

AnswersNewsさんが、
乳癌の新薬について、作用機序を含めて
網羅的に分かりやすくまとめて下さっていた
記事がありましたので
ご紹介させていただきました。

その記事に、トリポジの方から
貴重なコメントをいただきました。
同じHER2陽性でも、HER2タイプすなわち
ホルモン陰性(私はゼロ、ゼロの非反応性)
の私には、ない視点であり、
なるほどなぁ、と、
気付かせていただくとともに、

現在の標準治療のベースになっている
ホルモン受容体、HER2タンパク
による分類を超えた(跨がった)
別のバイオマーカーでの臨床試験や
薬事承認が必要になってきているの
だろうな、

という共通の思いを感じて、
記事にしました。

  ※キイトルーダがMSI-Highで
     癌種を超えて承認されているので
     医学、医療の世界は、
     まさに、そういう流れになって
     きているのだとは思いますが…。
     
再掲します。(補足11)


ー◆ー◆ー◆ー

(元投稿:2018/12/2)

ご訪問ありがとうございます。

直前の私のブログ記事
      上矢印リンクを貼っておきました

 ※ご紹介させていただいた、
   AnswersNewsさんの記事は、
   特定のサブタイプだけでなく、
   全てのサブタイプの新薬が開発されている
   ということが分かる一覧性のある、
   また、薬の仕組みや「事実」「現実」が 端的に
    分かる、信頼性の高いと私が思い、包括的に
    リンク・引用許可をいただいている方の記事で、
   医学、医療の進歩を喜ばしく感じて、
   同じ乳癌であれば、元気が出るかな、
   との思いで発信した記事でした。

AnswersNews(株式会社クイック)
『PARP阻害薬にCDK4/6阻害薬…乳がんに新薬ラッシュ
   免疫チェックポイント阻害薬も申請間近』より引用


AnswersNews(株式会社クイック)
『PARP阻害薬にCDK4/6阻害薬…乳がんに新薬ラッシュ
   免疫チェックポイント阻害薬も申請間近』より引用

=====

上記の記事に、
トリポジ(ホルモン陽性、HER2陽性)の方から
コメントをいただきました。


いただいたコメント

新薬の承認は嬉しくも
自分のタイプに当てはめると、
使用出来ない薬が多く残念に思います。

私はホルモン陽性のHER2陽性ですが、
パージェタ、ハーセプチン、カドサイラ
ともに効きが悪く腫瘍縮小せず、

改めてHER2の検査をするも
しっかり陽性であるため、
イブランス等のHER2陰性の薬は
使えないという…

日本の医療が
もう少し融通が効くものになって、
効き目のありそうな薬は
どのタイプのガンにも
保険適用されると嬉しいですね。


===

【私の心情、意見】

私も、日頃から、
新薬の臨床試験について、
疑問といいますか、
何とかならないものかなぁ、
と思っているところもあり、

その辺りも踏まえての、
前の記事の書き振りでした。

作用機序
  (どういう仕組みで働くものか、
   開発されている薬の理論)
と、
臨床試験の対象患者、
それが保険適応の条件になり、
保険で薬剤を使えるかどうかの制約に
なるわけですが、

その2つの関係について、
日頃から、
疑問に感じているところではあるので、
私は、薬の働き方の理論を重視して
先の記事を書きました。
  (日頃から重視して見ていますし、
   書いています)

ーーー

今までの乳癌の薬物療法が

・ホルモン受容体  ➡ ホルモン治療
・HER2タンパク ➡抗HER2治療

であったために、
・ホルモン陽性か否か
・HER2陽性か否か、

で、
サブタイプを大きく4つ

  (ホルモン陽性の中では増殖能が高いか低いかを
   Ki値で2つに分けているので正確には5つですが…
  再発・転移後は、あまり関係ないかな…)

に分けて、使える薬剤が異なります。

一方、最近の新薬は、
ホルモン受容体やHER2とは別の
どの遺伝子異常、あるいは、
どういう特徴を持った細胞を
ターゲットに作用するか、
ということが想定されて開発されています。


しかし、
現在ある治療より効果があることを、
RCT(ランダム化比較試験)という形式の
臨床試験で比較して
優位性を示さなければならないので、

患者集団の選択が、
ホルモン陽性か陰性か
HER2陽性か陰性か
になってしまうのでしょうね。

因みに、
昔からある殺細胞性抗がん剤治療は、
増殖能の高い癌細胞を無差別攻撃する
 (増殖能が高い正常細胞も無差別に
  攻撃される)
薬剤ですから、
作用機序も、標準治療(診療ガイドライン)
での推奨や保険適応でも、
サブタイプによって特に変わらず、
  (ハーセプチン登場後に認可された
   カルボプラチン以外は再発・転移乳癌
   すなわちステージ4であれば、
   保険適応で使えるはずです)


抗HER2薬を併用するか否か
ホルモン剤を併用するか否か

で臨床試験の対象が変わるから、

新薬の対象も
特に、HER2陽性か、陰性か
に2分されてしまうのでしょう。

※HER2が最もリスクも高く、
  抗HER2薬は効果も高く、副作用も小さい
     (それまでの殺細胞性抗がん剤に比べれば、
      予後が最悪だった「患者集団」のOSを、
      5年近く延長して、普通の乳癌、すなわち、
      ホルモン陽性、HER2陰性の、圧倒的多数
      の乳がんの5年生存率、10年生存率に近付けた…、
      従って夢の新薬であったと言えるところの)
  ハーセプチン+パージェタが、
  先ず優先されるから。
  しかし効きの悪い人も当然います
  患者の癌の中には、HER2発現していない
  細胞も混じっているわけで…。

今現在の保険承認のためには、
致し方ないことだとしても、

開発されている新薬の作用機序からして
HER2やホルモン受容体と無関係な
遺伝子異常や抗体、分子を
ターゲットとしている新薬は

違うサブタイプにも適応を拡大する
医師主導治験などをして、
適応拡大をして欲しいと思います。


トリポジであれば、

HER2の増殖能が最もリスクが高く、
抗HER2薬の効果や効く確率は高いから
第1選択として抗HER2薬が使われるのは
(診療ガイドラインの推奨もその通り)
妥当、当然だと思いますが、

抗HER2薬の効きが悪く、
癌が増大しているならば、
HER2陽性であっても、
別の新薬を試したい、という、
コメントを下さった方の気持ちは、
とってもよく分かります。

※コメントを下さった方の場合、
  縮小しないと局所のQOLの問題もあるし…
  なにがしか薬剤が効いて縮小して
  手術できるようになるといいね、
  という状況のようですし…。

特にトリポジの方は、
ホルモン陽性でもあるから、
ホルモン剤と併用で使える新薬も
試せるといいのにね、と思いました。

※因みに、同じHER2陽性でも、
  私は、ホルモン非反応なので
  ホルモン剤は私の癌には役に立ちません。
  もっと使える薬剤が少ない。
   HER2発現していない細胞はトリネガ。
  トリネガには現在、承認済の新薬はなく、
  早く免疫チェックポイント阻害剤が
  薬事承認され、保険適応されるといいね、
  と、期待とともに注目し続けています。
  その上でHER2陽性にも広げて欲しいと
  思っています。
  ホルモン陰性は予後が悪いので、優先的に
  お願いしたいなぁ、と、個人的には思い、
  予後の悪いHER2➡トリネガを
  開発ターゲットにしてくれている
  中外/ロシュさんに期待していることは
  過去記事で何度か触れた通りです。


また、
一人の患者の中の癌細胞も均一ではなく
多様性があり

さらに、時とともに、
あるいは治療の影響も受けて、
変化して増大していっているわけだから、

命の危険が近くなる前に、
サブタイプの枠を外して、
効くかもしれない薬剤は試したいですよね。

臨床試験や薬事承認の「適応条件」
何とかならないものかなぁ、
柔軟に運用できないものかなぁ、
と、切に思います。


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