【再掲】一人一人の医療へ EBM(最大多数)➡HBM(個別化) | HER2タイプ乳癌ステージ3C 経過観察中シングルマザー

HER2タイプ乳癌ステージ3C 経過観察中シングルマザー

HER2タイプ乳癌のこと、治療のことなどを書き残しておこうと思います。温かい目で見守っていただければ、幸いです。アメンバー申請、コメント、メッセージ、リブログについては、「はじめに(私のスタンス)」テーマ内の記事をご一読下さい。

ご訪問ありがとうございます。

コメント者からの、抽象的だという
コメントに対し、
「一人一人の命を大切にする」医療の
「心のある」という点についての、
私の考えは、
既に、過去記事を転載しました。

じゃあ、具体的な癌治療は、というと

癌は遺伝子が傷ついて発生するわけで、
どの遺伝子が(1つとは限らない)、
どれだけ傷ついて癌になっているかは、
個々人違っているのだから、
個々人の癌に合わせた治療が、
誰しもが望む治療でしょう。

今、正にゲノム(遺伝子)医療の研究が
進んでいるところで、

でも、現実には、そこまでの治療は、
まだ、ありません。

3年前
再発転移リスクが超高くて
 (どのリスク因子も、ハイリスク)
再発転移の可能性が最も高いのが1年内、
調べたり考えるのは自分しかいない
 (家族は、まだ当、中学生の娘だけ)
という状況だったから、

再発転移後の治療、抗がん剤についても
調べたり考える必要があったから
調べ、考えました。
  ※ステージ3Cまで進行していて、
    ハーセプチンで癌が縮小しなかった
    HER2タイプ(ホルモン陰性)だから、
    同じ乳癌でもね、
    切迫感が違うっていうのかな、
    具体的に考えたり葛藤する、
    そういう背景、状況だった、
    同じ乳癌、同じ時期に治療を受けた患者同士でも、
    感覚が違ったなぁ
    という経験をしました。
    勿論、受け止め方は人それぞれですけど
    『私』の中でも、
    示された再発転移リスクの大きさで、
    切迫感は違います。


その後、目に見える転移はせずに
経過しましたから、
2年ほど乳癌治療のことは、
ほとんど考えずに過ごしましたが、

 (術前に肝臓の影が映ってた、
   それをエコーで大きくならないか
   観察してましたから、
   ただ、何もなく経過観察するよりは
   ドキドキ感というのか切迫感というのかは
   強いものがありましたが
   主治医も、癌ではなさそうだとの見立て
   だったし、大きくならなかったので
   検査の回数を重ねる毎に切迫感は遠のき)

昨年、肋骨に影が映っており、
再発転移疑いがあったから、
再発転移後の治療について、
考える必要が生じました。

だから、考えました。

CTに何も映っていなかった2年間とは、
何て言うのかなぁ、
切迫感が違うっていうのかな、
影が転移だったら、治療をどうするか
決めなきゃならないですから、
より具体的に、
もう一度考えたっていうのか。

    結局、影は転移じゃなく、
    治療を判断する必要はなかったので、
    転移した後の判断という具体性はないですが…。

その時に到達した私の考え、気持ちについて
書いた、昨年8月の記事も再掲します。
  ※分かりにくかった部分は、
    若干補記しました。

=====

2017年8月23日

ご訪問ありがとうございます。

西洋医学に基づく、
保険診療の医療機関では、

EBM(Evidence  Based  Medicine)
に基く、標準治療が提供されています。

標準(的な)治療
 ≒現代西洋医学の臨床研究
     (過去の患者集団)に基づく最大限の治療
です。
※平均的な治療って意味じゃないです。

直近で読んだ、高野先生の書籍によれば、

目標:  最大多数の最大幸福
根拠:  エビデンス
理念:  (患者集団にとって)最善の結果の追求

とのことです。

  ※「(患者集団にとって)」は、
     私が追記しました。

私の過去記事、主治医との言い合いや
セカンドオピニオンの記事を
ご覧いただければ、ご理解いただけると
思いますが、そうでもないでしょうか?

私が、納得できずに、まぁ、「諦めた」のは
この、「患者集団」、「最大多数」にとって
「最善の」 治療に対し、

私個人のための「個別」の治療をお願い
しますってことだったのです。

目に見える腫瘍を相手にした、
術前化学療法であり、
pCRすると予後がよいとの「エビデンス」
もあり、
pCRしなかったんだから、追加で、
あの素晴らしい臨床試験結果の出た
パージェタくらい併用させて欲しかった…。

   ※これは、医師の問題でなく、

      医療の限界かというと微妙で、
      標準治療、診療ガイドラインの問題で、
      パージェタは
      ・再発転移患者では、日本でも承認薬
          として使われており、
      ・術前化学療法では
          米国では承認薬、
          日本は術前も術後も
          再発転移予防で括られているから
          当時は未承認、
      ・術後のハーセプチンへの追加は
          当時は世界的規模の臨床試験結果待ち
          日本では、
          昨年度、認可申請されました。
      どちらかというと、
      臨床試験の『患者集団』の範囲、
      そのエビデンス有無
      標準治療、保険診療と、
      それを待てない、
     『今』癌が進行している状況の『個人』
      の問題、です。
      標準治療(エビデンス)、診療ガイドライン
      という 『集団』では救えない
      患者『個人』の問題ってのかな。


虎の門病院(保険診療の病院、患者さんは
国家公務員の方も多いのでは?)
の高野先生も、
治らない、
再発転移の治療に対しては、
同じようなことをお考えになられたようで、
EBMの次に目指すべき医療を、
ご自身の言葉で、
「HBM」  Human Based Medicine
と名付けていらっしゃいます。

目標:一人ひとりの、
         その人なりの幸せ

根拠:一人ひとりの想い、
         価値観、語り合い

理念:人間の幸せの追求
  (のサポート)

※医療は、あくまでサポートだと思うので
   「(のサポート)」は私が追記しました。
  
「本当の『幸せ』『希望』
 『安心』は、
 医者から与えられなくても、
 すべての人が、
 もともと普通に持っている

「患者さん自身の
『その人なりの幸せ』は
 医者から簡単に提示できる
 ようなものでなく、
『これがHBMだ!』と、
 はっきりと定義できません…
 患者さん一人ひとりに、
 その人なりの
 医療のあり方があるはずで、
 それがHBMの姿です。」
 
「治療目標は、
これからの時間を
どう過ごしたいかという
 想いから導かれるもので、
患者さん一人ひとりさまざま
です。…まず、
これから、どのように
 過ごしていきたいか
何を大事にしたいのか
 を考えてみて下さい。
 抗がん剤を使うかどうかを
 考えるのは、その後です。」

「生きた時間の長さ以上に、
 その時間をどう過ごしたかが
 重要…』

まさに、仰る通りだと思います。
 (子供が自立してない独り親だと、
  長さも大事なんですが、、
  なんともできないものは、
  求めても、しょうがない)

治らない、
手術不能な再発転移癌を、
保険診療ではあるけれど、
標準ガイドラインの量(=最大耐用量)
ではなく、
副作用を容認できる最少量の抗がん剤
で治療している梅澤先生も、

同様のことを
ブログで繰り返し力説されて
いらっしゃる。

それを、一人15分くらいの診療の中で
運用していくのは、
なかなか難しいとは思いますが。

抗がん剤論争はおしまいにしましょう。
  あなたにとってプラスになるなら、
  抗がん剤を使えばいいし、
  あなたにとってマイナスになるなら、
  抗がん剤を使わなければいい、
  ただ、それだけのことです。

とも。
まさに、仰る通りだと思います。

「『もう治療法がない』と言って、患者さんを
 絶望に追いやる医師も問題ですが、…
『まだ治療法(抗がん剤)がある』と言って、
 『見せかけの希望』を与え、ただ、絶望を
 先送りにしているだけであり…
 (中略)
 『がん難民』が本当に求めているのは、
  「使える抗がん剤」ではなく、
  真の『希望』であり、『安心』であり、
 『幸せ』であるからです。」

因みに、高野先生は、前から一度お会い
してみたい先生でした。
3年前に、検索したところ、何かに、
せっかくハーセプチンの副作用が小さく
ても、抗がん剤と併用では、
抗がん剤の副作用が強くて、意味がない。
ハーセプチン単独投与の臨床研究を
行うべきと書かれていらっしゃった文書
があり、
実際、単独投与も、されています。
 ⬆書籍内に症例が書かれていました。
更に因みに、梅澤先生もされています。

ーーーーー

根治を目指す初期治療は、EBMでも
よいのだと思います。
サブタイプ別、療法・薬剤別の統計
  (後向き統計、すなわち、過去の患者の
   治療結果の統計)
は欲しいですが。

再発転移後の治療は、
治せないことが前提の治療ですから、

がんを抱えて
生きていく、
そのために、
・癌の増大を出来るだけ抑え
・支障のある身体症状を
   和らげる

そのサポートをしていただく
医療を、
患者の私は求めます。

治療内容は異なりますが、梅澤先生も
同様のことを書籍、ブログで発信し続けて
いらっしゃいます。

 (勝俣先生や腫瘍内科バッシングが激しい
  ので、お好きでない方もいらっしゃるので
  しょうが、、)
  
おそらく、私の主治医も、同じような先生
なのだと思います。

経過観察中の主治医との会話は、

私は身体を省みるような生活状況じゃ
なかったので、特に話すこともなく、
その旨を理解いただくために、
その、身体を省みる余裕がないことの
説明のために、生活状況を話していた、
ほとんど娘とか仕事のことでしょうか、、、

主治医も、ただ、聴いてくれていた、
(主治医のご家族のことなども聞いたり)
そんな感じです。

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