脳転移について、誤解に満ちた悪意のある
コメントを書かれもしたので、
脳転移、転移性脳腫瘍について、
書いておこうと思います。
・脳転移を起こしやすい癌(原発巣)は、
肺癌が50~60%、
消化器系癌(主として胃癌) 約15%
乳癌 10~16%
・HER2陽性転移性乳癌では
30~45%が脳転移を発症。
(特にHER2タイプで発症率高め)
※トリネガでも25~45%
ホルモン陽性・HER2陰性では
発生頻度は低く、私が見た論文では
10%弱でした。
・単発転移よりも、多発転移の方が多い。
・肺癌では、転移性脳腫瘍が先に診断されて
原発巣を検査することも多い。
・転移性脳腫瘍のまわりには、
脳浮腫(脳のはれ)を生じることが多く、
それが症状を出していることがある。
・乳癌などでは、10年くらい経った後に、
初再発部位として脳転移が生じることが
あるが、これは長期寛解の可能性もある。
【検査】
・造影剤(ガドリニウム)を使用した
MRI検査
- MRIは非常に小さな転移巣も発見
できる。
- 治療方針を決めるためには正確な数を
把握する必要、そのためには
MRIは必須。
特に単発転移か、多発転移の区別は
重要。
- ガドリニウム造影剤で増強されて
くっきり写る。
・シンチやPETを使って診断すると
脳転移が発見されることも多い。
【治療】
・多くは、定位放射線分割治療か
放射線外科治療(ラジオサージェリー)で
治療可能。
※ラジオサージェリーで使用される装置
ガンマナイフ(γ線)、
リニアックナイフ(X線)
サイバーナイフ
※定位放射線分割治療で使用される装置
サイバーナイフ、ノバリス、
トモセラピー
・3個以内の多発転移例であれば、
ラジオサージェリーで寛解が得られる
ことが多い。
・5個以上の多発転移では、全脳照射が
必要かもしれない。
※全脳照射は広範囲分割照射(リニアック
など)を使う。
乳癌術後の放射線治療でお馴染みの。
・腫瘍の大きさが2.5~3cmくらいが
定位放射線治療の限界。
・2.5~3cm以上の大きな単発転移で、
脳浮腫の軽減と脳圧を下げることを目的
として、開頭手術を行う。
※患者の状態が良好、かつ数か月以上の
生命予後が期待できれば、開頭手術に
よる摘出術の適応となる。
★生存期間が長いと予測される、
乳癌の少数個の脳転移に対しては、
積極的な局所治療が重要な役割を果たす。
また、ラジオサージェリーで治療可能な
腫瘍の大きさ(小ささ)で発見できる方が、
治療効果が期待できる。
=====
【じゅんさんからのコメント】
ガンマナイフ
全脳照射が考えられる10個、20個のケース
でも、QOLを考えて、
ガンマナイフを選択する人もいるようです。
多くても、絶対できないというわけでは
ありません。個々の判断になります。
https://gansupport.jp/article/cancer/breast/breast02/2616.html
【私の返信】
こんばんは。
ご無沙汰しております。
そうですね。
有益なコメントありがとうございます。
記事に反映させていただきます。
=====
(以下は本記事にて補記)
そうですね。
全脳照射だと、認知障害の発症リスクが高い
ので、再発の都度、ガンマナイフをする
ことで、QOL、予後の改善が期待できる
というようなことが、
乳癌診療ガイドラインにも記載されていた
かと記憶しています。
(最近、本当に記憶が怪しいんだけど…
脈絡のあることは思い出せるので大丈夫
だと思う…
朝、お昼ご飯買って持って行ったことを
忘れて、お昼にお弁当買って食べて、
夜にバッグの中を見るまで思い出さな
かった事件とか、
今日も財布が何処にあるか思い出せなくて
長時間探して、やっと見つけたり…
物は相変わらず、あちこちに忘れて
きちゃったり、人名、地名、名詞は、
かなり思い出せなかったり、
怪しいのだけど…)
=====
【じゅんさんからのコメント2】
MRIの結果、脳転移は全く関係なくて
良かったですね。
みゆさんの記事は脳転移された方の
参考になります。
コメント承認してくださって
ありがとうございました。
【私の返信】
>MRIの結果、脳転移は全く関係なくて
良かったですね。
ありがとうございます。
>みゆさんの記事は脳転移された方の
参考になります。
コメント承認してくださって
ありがとうございました。
こちらこそ、
ご協力ありがとうございました。
※じゅんさんには、私のブログのスタンスを
ご理解いただけたように思え、
嬉しく思いました。
1件、昨年12月に保留したままのコメント
も返信しますね。