「夢の新薬」 だったと言えるハーセプチン(抗HER2分子標的薬) 梅澤充医師のブログより22 | HER2タイプ乳癌ステージ3C 経過観察中シングルマザー

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HER2タイプ乳癌のこと、治療のことなどを書き残しておこうと思います。温かい目で見守っていただければ、幸いです。アメンバー申請、コメント、メッセージ、リブログについては、「はじめに(私のスタンス)」テーマ内の記事をご一読下さい。

ご訪問ありがとうございます。

ブログをお持ちの皆さんは、ブログタイトル
にも、ご自分の主義主張や背景を入れて
いらっしゃる方も多いと思いますが、

私がブログタイトルに、「HER2タイプ
と明記しているのには、
明記している理由があります。
過去記事から何度も書いてはいますが、
ホルモン陽性の「多数の」、一般的に予後が
良いと言われる乳癌と性質が違うから。
それが分からないと、私の書いている内容や
想いのほとんどは、分かっていただけない
でしょうし、
分かっていただける方に
読んでいただきたいからです。

   ※「ステージ3C」も、「シングルマザー」
      (手伝う身内なし、0歳から父親からの
       養育費などゼロ、収入制限があるから
       手当てなどもらったことなし、なので
       シングルファーザーに近いかも、ですが)
     という特性も、同様の理由で、ブログの
     タイトルに入れていますが、
     この記事とは関係ないので割愛します。

HER2タイプの予後の悪さは、
過去何度も書いてきましたが、
抗がん剤論争で有名な先生方の著書や
臨床現場のベテランの医師、医療者たち、
皆さん全員一致、同じことを仰っている、
残念ながら『事実』です。
『事実』という意味で、勝俣先生の著書から
引用させていただき、
        (簡便説明)
どの先生の著書でも同じことが書いてある旨
も合わせて書いてきましたが、
別の意味に誤解して捉える方もいらっしゃる
ようなので
  (私は、勝俣先生はじめ、
 『事実』を書いたり、教えてくれた医師達に
   感謝しており、文句を書いているわけでは
  ないのですが、読者側の感情で異なる解釈を
  される方も多いようで…)

また、昔ながらの殺細胞の抗がん剤と
分子標的薬をごちゃまぜにして語る方も
いらっしゃいますが、
分子標的薬のハーセプチンは、価値がある、
と、腫瘍縮小しなかった私でも思います。

梅澤先生も同じことを最近の記事内で
書いて下さっていますので、
転記させていただきます。

梅澤充先生は、
以前からご紹介していますが、
「治らない癌」を長年、低用量の抗がん剤
による個別医療(保険診療)で
治療し続けていらっしゃる先生です。

梅澤先生より:(2017年8月末)
    私の記事はどう扱っていただいても構いませんが、
    事実をお書きになって下さい。
    私はブログ上で『事実』しか書いておりません。

   梅澤先生の『事実』の文章をそのまま転載します。
  文字数の都合上、乳癌に関係ないイレッサ
  の文章は割愛させていただきました。
  また、文字の大きさだけ、私の意図で一部
   変更しました。

=====

2018年1月12日

昨日の「光免疫療法」はじめ、
何回も書いていますが、
日本のマスコミは「夢の新薬」という
フレーズが大好きの様で、
今まで、ずいぶんとたくさんの、
「夢の新薬」や「夢のガン治療」が、
現れては消えていきました。

分子標的薬イレッサもその一つですが、
イレッサは、
患者さんが想像した夢とは
大きくかけ離れていたとは
思いますが、
肺がんに対する、
「標準の細胞毒」しか
なかった時代を考えれば、
「夢」に近い存在
であるような気がします。
         (中略)
末期がん患者さんのQALYも大きく
延ばしています。

その他の、固形ガンに対しての
「夢の新薬」では、
ハーセプチンの登場は、
かなり大きな「夢」を実現
させてくれました。

平成3年当時、
遺伝子などと言うお洒落な単語の
意味すら分かりませんでしたが、
手術後の乳がん細胞の遺伝子を調べた
経験があります。
erbB2と呼ばれる遺伝子
が存在すると、
がん細胞の表面にHER2蛋白
がたくさん作られる。
所謂、ハーツー蛋白の過剰発現を観る
がん細胞です。
根治手術が可能であっても、
このHER2蛋白を持つ乳ガンは、
ともかく予後不良でした。
再発確率は極めて高く、
再発してしまうと、
極めて短い時間で
確実な死に至る。

ハーセプチンがその現実を
一変しました。
平成13年に日本で承認された時は
「奏功期間7ヶ月程度」の有効性が
謳われていただけで、
しかも「心臓機能障害での死亡率も高い」
という注意書きも付いていて、
心臓エコー検査は毎月実施すること、
との指導もありました。
しかし、実際に使ってみると、
副作用は非常に軽微で、
効果の持続時間は極めて長い

発売当時は、
毎週8万円以上と言う高額な薬価でしたが、
細胞毒とはまったく違い、
患者さんのQALYは、
大きく延ばしたと考えられます。

日本での発売当初から、
現在まで使い続けている
患者さんもいる
くらいです。
その患者さんは、
ごく僅かな毒も同時に使っていますが、
一貫してフルタイムでかなりキツイ
仕事を続けています。

「ガンを治す」という夢
には至りませんが、
ハーセプチンは、
厳しい現実を、
かなり夢に近付けてくれた
「新薬」であるように感じます。

「夢の新薬」は、
世に出る前には、
誰にも分かりません。
何年間も使われ続けて、
タダの夢だったか、
正夢だったかが分かります。

オプジーボなどの免疫を利用する薬剤の
真価も、
あと10年くらい経たないと判明しない
と思います。

ただ、多くの患者さんは、
そんな長い時間は、
待っていられませんから、
可能性のある治療は、
棘が無い
ならば、
一部の腫瘍内科医のオモチャのような、
エビデンスなどに振り回されることなく、
積極的に使ってください。

投稿されたコメントにもありましたが
丸山ワクチンだって
大きな「夢」はないかも
知れませんが、
副作用は皆無か、
万一、あっても極めて軽微
であることだけは確かです。
しかも廉価です。
騙されてもイイ夢だと感じます。

以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネット
その他に転記・転載することは堅く禁じます。

梅澤先生が貼られている別記事のリンク
 (水色字)は リンクを省略しました。
梅澤先生のブログを直接ご覧下さい。
今後も、いくつか記事を転載させて
いただくかもしれません。

=====

術前化学療法のハーセプチン+ドセで
腫瘍は縮小しなかった私ですが、
   
     しかも、『転移リンパ節郭清漏れ』
     (主治医曰く)や、原発巣の高度脈管浸襲や
     腫瘍マーカーの推移など、
     遠隔転移しない客観的判断材料のなかった
     私ですが、

ハーセプチン(正確に言えば、活性化自己
リンパ球療法を併用してます)は、
少なくとも遠隔転移までの期間を
先伸ばししてくれたのではないかと
思われる、
大変有りがたい薬であったと思います。

「まだ3年じゃないか」と一般的な(ホルモン
陽性の)乳癌の方で、軽く仰る心無い方も
いらっしゃいますが、

HER2タイプの怖さを医師の言葉から
冷静に受け止めている私は、

ステージ3Cから3年転移しなかった
だけでも、ハーセプチンに感謝しています。

因みに腫瘍縮小もせず、
  ※腫瘍縮小が目的でなく、延命できれば
    いいわけで。私は3年前からそう思って
    ましたし、今も思っています。

副作用は私は強く出た方だと思いますが、
それでも
FEC、ドセなどの、昔ながらの殺細胞毒の
抗がん剤の比でなく軽かった。
  (経験者なら皆さん、同じことを言うと
   思います)

ハーセプチンは、
昔ながらの殺細胞毒の抗がん剤と
いっしょくたにして拒否することなく、
使うことを、私は経験から、お勧めします。
  (よく効いてpCRした方は、もっとお勧め
   するでしょう…)

初期治療前の方には、
HER2タイプの乳癌を無治療で放置しない
ようにね、進行も転移も速いと思いますよ、
と注意喚起もしておきます。
  (根治手術できるタイミングを逃さない
   ようにね、
   ハーセプチンを再発転移予防で使うか、
   再発転移後に使うかは、人それぞれの
   判断ではありましょうが…)

私は、免疫チェックポイント阻害剤が
第2のハーセプチンだったらいいなぁ、
そういう新薬が次々に開発されたらいいなぁ
と、小さな現実的な夢?の新薬に
期待している患者です。
(共存、無治療・緩和も、現実的に受け止めて
 いるので、⬅「諦めている」?とは違います
 「夢の新薬」話に過度な期待も持たず、
 踊らされることもありませんが…)


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