乳癌治療(標準治療=保険診療) 手術 | HER2タイプ乳癌ステージ3C 経過観察中シングルマザー

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HER2タイプ乳癌のこと、治療のことなどを書き残しておこうと思います。温かい目で見守っていただければ、幸いです。アメンバー申請、コメント、メッセージ、リブログについては、「はじめに(私のスタンス)」テーマ内の記事をご一読下さい。

ご訪問ありがとうございます。

読者さんからメッセージでご質問を受けて
いた、
乳癌と診断されてから、
どのような経過をたどるのか、に対して、
   (アップリンクあり)
で、まず、初期治療(ステージ3まで)と
遠隔転移後(ステージ4)の治療の目的と
治療概要を書きました。

もう少し、初期治療の三大治療、
手術、放射線、薬物補助療法
それぞれの標準治療について、
『患者さんのための乳癌診療ガイドライン』
から抜粋転記しておきます。

まず、根治のために必須の手術
について。

植松先生のピンポイント照射(放射線)も
  根治を狙える治療だと私は考えますが、
  標準診療(保険診療)ではないので、
  ここでは省略します。
  何らかの事情で手術が出来ない方や
  手術したくない方で、自費診療の費用負担
  が出来、鹿児島で治療が受けられる状況の
  方は、植松先生に問い合わせてみると
  よいかと思います。


かつての手術

・かつては局所(乳房や周辺のリンパ節)に
   とどまっている癌を取り切る目的で、
   広範囲の手術が行われてきた。

ー  ハルステッド術
        (乳房切除 +大胸筋、小胸筋、
         腋窩~鎖骨上リンパ節の切除)

ー  拡大乳房切除術
        (ハルステッド術+鎖骨上リンパ節、
         +胸骨傍リンパ節の切除)

・しかし近年、
    乳癌は比較的初期の段階から
    癌細胞の一部は全身に広がる(微小転移)
    という考え方が主流になり、
    必要以上に大きな手術は行われなく
    なってきた。

    ※広く取れば、リンパ浮腫になる可能性
       が高くなる。

    ※私は、胸骨傍リンパ節転移疑いだった
      けれど、上記の通りの説明を受け、
      「拡大乳房切除術は勘弁してくれ」、と、
      主治医に断られ、ハルステッドも
      上記理由で、2度断られました。
      抗がん剤でリンパ節転移は画像上
      見えなくなっていたので、
      リンパ浮腫との見合いで、
      諦めました(納得しました)。

   ※炎症性乳癌の読者さんは、
      大きめの手術をされている方が
      います。(じゅりあさんとは別に)
      ガイドラインによると、
      炎症性乳癌は1%未満の
      (近年増えてはいる) ようです。


現在の標準的手術

・以下のいずれか

乳房温存療法
    (乳房温存手術+放射線)

乳房切除術
   ※全摘術のこと

内視鏡手術も保険診療で可能(施設は限定
    される)が、乳癌の手術(温存、全摘)自体
    内蔵でないため身体の負担も軽く、
    内視鏡手術の方が時間がかかるため、
    普及はしていない。

・低侵襲治療として、ラジオ波焼灼療法
    (針を刺して電磁波の熱で癌を死滅)や、
    FUS(集束超音波療法、MRIで癌を
    狙って超音波で癌を死滅)が、
    現時点では臨床試験として実施すべき
    治療。保険診療の対象ではない。


⬛温存か全摘か

・しこりの大きさや位置、広がりで
    温存可能か否かが決まる。

・日本乳癌学会としては温存が
    第1選択の標準的治療(と書かれている)。

・しこりが3cm以内で(概ねの目安)、
    以下に該当しなければ、温存可能。
    
   ①  2つ以上のしこりが離れてある
   ②  癌(石灰化など)が広範囲に広がっている
   ③  放射線治療をできない事情がある
   ④  しこりの大きさと乳房の大きさの
         バランスから美容的な仕上がりが
         良くないことが予想される
   ⑤  患者が温存を希望しない

  ※私の友人は、0期でも②で全摘。

  ※HARUさんの場合は③
    ステージ3だとほとんどが全摘。

※  私は早期であっても超早期であっても
    全摘を選ぶ(私の気持ち的な安心感)ので
    ⑤に該当する。
    ⑤がガイドラインに明記されてるのは
    よいですね。

  ※主治医の判断で納得いかなかったら、
    セカンドオピニオンに行ってみる
    ポイントだと思います。
    温存手術(美容的なところ)は外科医の技量
    にかかっているような感じがするので
    病院や先生を選ぶのもポイントかな?

・全摘と温存(+放射線)で生存期間が
   変わらないという臨床研究結果。

   ※乳房内再発や局所再発は、全摘に比べ、
     外科医の技量に依存する部分も大きい
     と私は思うので、
     たとえ可能であっても私は全摘を選ぶ、
     というのもあります。
     (気持ち的な安心感)

     
⬛腋窩リンパ節郭清

腋窩リンパ節郭清の目的は2つ
   ー リンパ節転移の有無、転移個数を
        調べる『診断』
      (転移個数が多いほど、
       再発転移リスクが高い。
       これも参考に術後の抗がん剤治療を
       するかしないかの判断材料にする)

   ー  局所再発予防
       ・腋窩リンパ節郭清が適正に行われた
           場合の腋窩リンパ節再発はまれ。

        ・腋窩リンパ節郭清が遠隔転移を
          予防する効果があるかは、議論が
          分かれているが、
          腋窩リンパ節郭清を行わないと
          術後に再発が少し多くなるという
          臨床試験結果のメタアナリシスから
          腋窩リンパ節郭清を行うべき
          というのが現時点の乳癌学会の見解。

画像上腋窩リンパ節転移がある場合、
    腋窩リンパ節郭清を行う。

   ※私は、腋窩リンパ節レベル3まで
     (レベルは領域レベルで1~3)
     転移疑いでしたが、どの道取れない
     胸骨傍リンパ節疑いもあり、
     術前化学療法で画像上は消えていたので
     レベル2までの郭清しかしていません。
     おまけに主治医は郭清漏れがあったと
     言って、そこは譲らない(笑)

     転移疑いがレベル3までの人は
     レベル3まで郭清すると思います。

     鎖骨下や小胸筋は医師判断かな。
     読者さんにいます。
     胸骨傍リンパ節を取った人には
     巡りあえていません。
     ハルステッド術、拡大乳房切除術に
     なるわけですが、全体の1%だし、、。

手術時のセンチネルリンパ節生検で
    転移があった場合、
    レベル2までのリンパ節郭清を行う。

    ※がん研有明の先生も、私の主治医も
     レベル3まで触ってあれば、
     (癌がいれば固くなってて、外科医は
      触って分かるとのこと)
     レベル3まで郭清する。

    ※なぜ、レベル2までが標準かというと、
      リンパ浮腫リスクが格段に大きくなる
      からとのこと。

センチネルリンパ節生検
  
・センチネルリンパ節生検が開発される前は
    ほぼ全ての患者に腋窩リンパ節郭清を
    行っていた。

   ※リンパ節転移のない人でも、後遺症の
      リンパ浮腫等で苦しむ人が 多かったっ
      てこと。

センチネルリンパ節とは、乳房内部から
   癌細胞が最初にたどり着くリンパ節。
   それを取って癌細胞の有無を顕微鏡で
   調べるのが、センチネルリンパ節生検。

・通常、手術の際にセンチネルリンパ節
    生検を行う。
    ただし、具体的な方法は各施設で
    バラツキがあり、熟練した外科医でも、
    センチネルリンパ節が見つからない
    場合がある。

・センチネルリンパ節生検で癌が検出
    されなければ、腋窩リンパ節郭清を
    省略できる。

センチネルリンパ節生検の適応となるのは
    手術方法に関係なく、しこりが小さく、
    リンパ節転移の可能性が低い場合。
   

術前化学療法後の
   センチネルリンパ節生検

※これ、3年前より進化してる
  3年前はNG言い切りだった。

術前化学療法前の画像診断などで、
    腋窩リンパ節転移がないと判断された
    場合は、センチネルリンパ節生検可能。

術前化学療法前にリンパ節転移があった
    場合は、術前化学療法後の画像診断で
    腋窩リンパ節が消失していても、
    センチネルリンパ節生検の信頼性は
    不十分なので、
  『担当医とよく話し合ってセンチネル
     リンパ節生検をするかどうか決める
     ことをお勧めします。

※どの道、抗がん剤効果を見たかったし
   あれだけ転移があったのだから、
   腋窩リンパ節郭清して全体の転移有無を
   知りたかったので、私には無縁ですが。
   NG言い切りじゃなくなり、患者の選択
   が可能な書き振りになったのは進歩。   

ーーーーー

⬛HARUさんの選択 (9/3)
     (HARUさんから頂いたコメントより)

今後、放射線や抗がん剤治療ができない事
を考え全摘を選びました(>_<)

今はとにかく、HANSに負けず
手術を乗り切る事に専念してきます。


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