手術が先か、抗ガン剤が先か2 | HER2タイプ乳癌ステージ3C 経過観察中シングルマザー

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2014年7月1日(火)

6月27日(金)乳腺外科主治医のT先生診療、
確定診断で、強く勧められた術前化学療法
(でも、手術が先でもよいとも言っては
 いただいた)。

『手術が先か、
  抗ガン剤が先か』、う~ん
即決できず、回された、

6月30日(月)腫瘍内科A先生の、
セカンドオピニオンという名の
術前化学療法の説明。

しかし、そこでも答えは出せず、
出した結論は、A先生は私には合わない、
T先生に戻していただく、ということだけ。

そして迎えた7月1日(火)T先生診療。

私:
  手術するとして、転移してるリンパ節を
  全部取って もらえますか?

T先生:
  昔、僕が研修医の頃は、肋骨をはずして
  全部取ったことはあるけど、
  今はそういう手術はやらない。
  レベル3までは、
  ご要望とあらば頑張りますけど、
 胸骨傍は勘弁して下さい。
 リンパ浮腫になると大変だよ。
  そんなに頑張って取っても、
 全身にフワフワ回ってる
 微小転移が育って、
 遠隔転移したら意味がない
 しね。

T先生:
  手術日決めますか?7月16日か、
   23日。 30日は私が夏休み。
   抗がん剤をするなら、明日からでも。

私:・・・

T先生:
   もう、私から話せることは他にないよ。
   ここで 迷われても、他の患者さんも
   待っているから、外で考えを整理して、
   結論が出てから、 もう一度来て。

一旦、診療室の外に出た私、ノートに、
pro-con(メリット、デメリット)表を書き、
15分ほど、最後に考えました。

迷っている時間の余裕がないことだけは、
触って分かる、乳房、腋の下のリンパ節の
状態から、明らかでした。

(当時のノートの表より転記)

▼術前抗がん剤のメリット
・効けば手術は楽になる?
    (外科医のメリット←腫瘍内科A先生の話。
     外科医T先生は、「変わらないかな、
     いずれにせよ全摘だし。」)

★抗がん剤の効果が分かる
    (見える)。


▼術前抗がん剤のデメリット
・効かない場合、癌が増殖して、
    手術前に皮膚を突き破るかも。
   (効かない場合、すぐ手術に切り替えて
    くれると、T先生は言ってくれた、、)

・癌オリジナルの状態は確認できなくなる。


▼手術を先にするメリット
・皮膚を突き破る前に、癌を取り除ける。
       (抗がん剤が効けば、
        術前抗がん剤でも同じだが。)

・オリジナルの癌の状態が分かる。


▼手術を先にするデメリット
★抗がん剤が遅れた間に遠隔転移するかも。
       (抗がん剤が効かなければ、
        術前抗がん剤でも同じだが。)

★抗がん剤の効果が分からなくなる。

ステージⅢCまで進んでいて、
遠隔転移間際だし、
抗がん剤の効果が分かる、
術前化学療法をする決断
をしました。

再び診療室。

私:
 抗がん剤が効かなかったら、 
 すぐに手術に切り替えて
 もらえますよね?
 絶対、手術してもらえます
 よね?   (念押し確認)

T先生:
 しますよ。 

私:
  毎回、エコーで効いているかどうか、
  診てもらえますよね?

T先生:
  自分で触って分かるんじゃない?

私:
  ここまで進行させちゃった自分の感覚は
  全く自信がないんで、そこは
  専門家の先生に、診ていただけますか❗

T先生:
  (笑)普通はしないけど、
 特別大サービスで、
 僕が毎回診て
 測ってあげますよ。
  それで決心ついた?

私:
  はい。では、
  術前化学療法をする、
  ということで、お願いします。

T先生:
 一緒に頑張りましょう(握手)


★結果的に、抗がん剤は、それなりに
   効いて、皮膚を突き破る心配は遠のき、
   手術も出来たので、私にとっては、
   よい選択でした。

★それは結果論であって、
   私にとって、選択のポイントは、
   希望通りの
  結果にならなかった時に、
    (すぐに遠隔転移した時に、あるいは、
      皮膚を突き破った時に)、
『自分で納得がいく』選択
   かどうか でした。
 
    抗がん剤治療をせずに遠隔転移したら、
    しとけばよかった、と後悔するだろう、
    抗がん剤が効かずに遠隔転移しても、
    やるだけのことはやったのだから、
    ときっと思える。

    抗がん剤が効かずに、手術も間に合わ
    なくて、皮膚を突き破ったら、
    先に手術しなかったことを後悔する
    だろうか、
    後悔することはするだろうな。
    QOLは著しく下がるよね。
     
    抗がん剤を1回はやってみよう。
    効かなかったら、すぐ手術してもらおう❗
    間に合わなかったら、諦めよう。
    ここまで進行させちゃった自分が悪い、と。

    乳癌、特にHER2タイプの抗がん剤や
    ハーセプチン奏効率の高さに後押し
    されたのもあったでしょうか。
    効くような気持ちの方が
   強かったかな。
     (希望とも言うかも)。

    やるだけやってみなければ気が済まない、
    やってみての敗北の方が納得感がある。
    元来の闘う性分。

    そして、
     一人で育てている
    まだまだ不安定な
    中1娘を残して
   今死ぬわけにはいかない
   何としてでも生き延びねば。       根底にある感情は、ただ、それだけ。

    順序だけを迷い悩み、
    手術や抗がん剤治療を受けること
    そのものを迷い悩まなかったのは、
     切迫した進行度合い、という癌の状態
     だけじゃなく、
     闘う性分と、家庭の状況大きかった
     のだと思います。 
 
私が納得いく決断をするまで
待って、大サービス?もして
下さったT先生に
大感謝❗❗しています。

※より本質的には、術前化学療法する患者は
  毎回、エコー検査で効果測定してくれるのを
  病院としてスタンダードにした方がよいと、
  私は思うのですが、、。
  そう思う患者さんは少ないんですかね?


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2018年末にpCRと予後の相関の
メタ解析結果が出され、
  (HER2陽性、特にHER2タイプ、
  トリネガはpCRすれば予後がよい)

ザンクトガレン2019で、
pCRしなかった患者への
HER2陽性の場合、術後カドサイラの追加
・トリネガへのゼローダの追加
のコンセンサスが形成され

予後の悪いHER2陽性やトリネガは
術前化学療法が、よりスタンダードに
なってきたと思います。

私としては、やっぱりね、の一言。
後輩患者さんたちのために、喜ばしい方向
だと感じています。
(2019/10/27 紫字追記)