水道の蛇口の水はちゃんと止めたつもりでいた。
ところが、四時間ほど経ってから、ふと気になって見に行くと、そこには思いもよらない光景があった。
止めたはずの水が、静かに流れ続けていたのだ。
そして、その水は洗い場にもあふれていた。
「えっ……?」
思わず立ち尽くした。
私はいつも、水を止めたかどうか確認している。それなのに、なぜ今日はこんなことになったのだろう。
単なるうっかりなのかもしれない。
けれど、なぜか心の片隅に、別のことが浮かんだ。
――これから、大雨が来るのだろうか。
まるで、水が何かを知らせているように感じたのだ。
そういえば、以前にも不思議なことがあった。
ソフトクリームを食べていたとき、突然コーンが手元から飛んでいった。
「なんだろう……」
そのとき、なぜか私は地震が来るような気がした。
そして、その後、本当に地震が起きた。
また別の日には、お皿を落としたこともあった。
普段なら「うっかり落としてしまった」で終わる出来事なのに、なぜか私の中では、地震と結びついて記憶に残っている。
もちろん、コーンが飛んだことも、お皿を落としたことも、水があふれたことも、それ自体が地震や大雨を予知していたのかは分からない。
偶然なのかもしれない。
けれど、私は昔から、こういう小さな出来事が妙に心に引っかかることがある。
そして後になって、「あのとき、何か感じていたのかもしれない」と思うことがある。
だから今回も、すぐに答えを決めることはせず、ただ静かに覚えておこうと思った。
水があふれた夜。
それは単なる水の止め忘れだったのか。
それとも、これからやってくる雨を思わせる、ちょっと不思議な出来事だったのか。
答えは、まだ分からない。
ただ、こういう小さな出来事を忘れずに心に留めておくこと。
それだけは、これからも大切にしていきたいと思いました。