性懲りも無く、又Androidスマホ(Nexus 5X)に手を出しました。iPhoneで十分なのに、いろいろ弄れるのがAndroidです。
カスタムROMの導入が容易なので、今回、本家Google版を使いました。
【Nexus 5X】
2015年10月、docomoとYMobileから発売。ROM 16/32GB、RAM 2GB。
サポート(セキュリティアップデート)は3年で終了し、2018年11月が最終版。
Android 8.1.0、セキュリティパッチレベル 2018年11月5日、ビルド番号 OPM7.181105.004。
最初に入手したのは、電源も入らず、充電もできないジャンクのNexus 5Xです。
ネットで調べると、所謂"LG Timer"と呼ばれる不良品です。
たちの悪い欠陥で、保証期間の1年を過ぎて、ブートループが頻発し、遂には電源も入らず、充電もできない状態に陥ります。
原因はCPUの加熱により、半田付け部分にクラックが入り、ブートループ(Googleのロゴが延々と続き、起動不能)に陥るそうです。
劣化が進行すると、電源も入らず、充電もできない状態=文鎮化します。
2018-02-01付記事によると、米国では損害賠償裁判の末、$425返金 or 新品購入時$700値引きに応じています。
対象機種は、LG製G4, V10, V20, Nexus 5X, G5で、いずれもブートループ頻発。日本では返金等はされていません。
LG settles bootloop lawsuit with $425 payout, or $700 rebate for a new LG phone
https://bgr.com/2018/02/01/lg-nexus-5x-bootloop-class-action-settlement/
ネットによると、電子レンジで加熱して復旧できたと言う記事が散見されます。高熱で半田部分を修復する手法です。
物は試しで、Nexus 5Xを分解し、基板を取り出しました。
電子レンジでは無く、アイロンを使って取り出した基板を温め、再組立。
電源を入れると、無事起動しました。成功です。でも、画面ロックがかかっており、PINコードが不明なので先に進めません。
何度か操作しているうちに、又、起動不能に。充電もできません。
再度分解し、アイロンかけで復旧するも、直ぐダメに。
何度かこの操作を繰り返しているうち、繰り返し加熱の影響か、遂に電源が入らなくなり、完全に文鎮化しました。
そこで、2台目のNexus 5Xを入手。前面ガラスが割れたジャンク品ですが、画面ロックは無く、起動可能です。
ついでに、バッテリーも調達し、交換しました。
いろいろ調べて見ると、Nexus 5X のSnapdragon 808というCPUは、6コアの”ARM Cortex-A57” と、4コアの”ARM Cortex-A53” で構成されており、Cortex-A57の加熱により基板劣化が進展し、ブートループに陥るようです。
そこで、A57を無効にし、A53だけて動作設定することで性能は落ちますが、安定動作し、ブートループを回避するパッチがXDAに公開されています。
[TOOL][HOW-TO] [Nexus 5X] Bootloop of Death (BLOD) Workaround [Flashable Zip]
https://forum.xda-developers.com/nexus-5x/general/tool-bootloop-death-blod-workaround-t3819497
但し、A57以外の部品や回路に劣化が及んでいると、この4コアパッチでは治らないそうです。
予防保全的にブートループ死亡(Bootloop of Deth)を回避すべく、この手順に基づき、TWRPと4コアパッチを導入しました。
セキュリティ面でも最新のOS(Lineage OS 15.1 = Android 8.1)を入れました。手順は以下です。
【1】Debianで環境整備=ADBとfastbootを利用可能に(LinuxなのでWinより環境整備が簡単です)
$ sudo apt install android-tools-adb
$ sudo apt install android-tools-fastboot
【2】OEMロック解除
「設定」>「システム」>「端末情報」>「ビルド番号」を7回タップし、「開発者向けオプション」を有効化
「設定」>「システム」>「開発者向けオプション」>「OEMロック解除」
再起動し、「電源」+「Vol」でブートローダを起動
PCとNexus 5XをUSBで接続し、端末から
$ fastboot oem unlock
【3】TWRPの導入
再起動し、「電源」+「Vol」でブートローダを起動し、TWRPを焼く。
$ fastboot flash recovery twrp-3.2.1-0-fbe-4core-bullhead.img
【4】Lineage OS、4コアパッチの導入
以下から最新のNexus 5X用Lineage OS 15.1と、GApps、4コアパッチ、をダウンロード。
https://download.lineageos.org/bullhead
nightly 15.1 lineage-15.1-20190414-nightly-bullhead-signed.zip sha256 420.51 MB 2019-04-14
ARM64 8.1 PICO を今回選択
https://forum.xda-developers.com/nexus-5x/general/tool-bootloop-death-blod-workaround-t3819497
N5X-6P_BLOD_Workaround_Injector_Addon-AK2-signed.zip
USBでPCと接続し、上記ファイルをNexus 5Xに転送。
再起動し、「電源」+「Vol」でTWRPを起動すると、TWRPの起動画面でパスワードを求められます。
スキップし、swipe後、書き込もうとしたら、内部ストレージにアクセスできません!
仕方無いので、SDカードにファイルをコピーし、USB経由TWRPでインストールしました。
(1)Lineage OS 15.1(2019-04-14付)
(2)GApps(PICO)
(3)4コアパッチ(N5X-6P_BLOD_Workaround_Injector_Addon-AK2-signed.zip)
調べて見ると、TWRPのバグで、機種により3.2.2以降で対策されている模様。
但し、指紋認証と画面ロックPINコードを無効にすれば、TWRPで部ストレージにアクセスできるそうです。
TWRP is asking password
https://www.reddit.com/r/GooglePixel/comments/8jd7eu/twrp_is_asking_for_password_to_decrypt_i_have/
Change from pattern to PIN / password and remove any fingerprints.
Decrypts just fine in the latest version of TWRP.
基板とバッテリーを取り出し、ニ個一で交換結果、無事起動できました。写真下は交換した不良基板です。
セキュリティレベルも最新版(2019-04-05付)です。
いろいろ苦労しましたが、何とかNexus 5Xの修復と、4コアパッチ導入、最新セキュリティのOSを導入できました。
でも、最初から完全動作品を入手した方がずっと安上がりでしたが、いろいろ勉強になり、これも授業料です。
幸運なことに、このNexus 5XはSIMフリー版でした。追加費用を払って、SIM Unlockせずに済みます。
ループする賽の河原で石積みも