峠の「道の駅」から帰り道

古ぼけた木板の道しるべ「☞■■」を見て入った

が、どうやら選ぶ道を間違えたようだ

周りは樹木が生い茂り
 
右下から水のせせらぎ聞こえる
 
次々と急カーブを下って行く
 
 
車1台しか通れない道
 
左に曲がったその時
 
「突然きた~!車」
 
車は滑りながら止まった
 
お互いに睨み合い(緊迫)
 
しばらくして
 
ドアが開き、背が小さく腰が曲がり
 
後ろ手に組んだ、お婆さんが
 
ヨテヨテ歩いて来た
 
「お兄さん、車どけてくれるかね」
 
「?」
 
「わたしの車」
 
「?」
 
「わたし、運転がヘタなんで」
 
そうか、「自分に何とかしろと言う事か」
 
「困ったね、離合もできないし」
 
お婆さん、「・・・」
 
歩いて15m先に少し広い場所があった
 
お婆さんの軽トラに乗り込みバック
 
自分の車を出した
 
しかし、離合には少し幅が足りない
 
さらに、その先を探した
 
が、離合できそうな場所はない
 
途方にくれていると
 
「お兄さんの上にあるよ」と、お婆さん
 
走って、元の道を登った
 
元の場所から約20m上(先)
 
「あった~、凹んた地!」
 
自分の車が崖から落ちないよう
 
トロトロバック、軽四も運転して交わした
 
離合は終わった(緊張感でヘトヘト)
 
のんびり、見ているお婆さん
 
 
「お婆さんよく知ってたねー」
 
「そりゃ、毎日通ってるからねー」
 
「・・・」(くそっ:腹の虫)
 
やがて
 
民家の見える場所に降りて来た
 
人影も見えないが、おだやかな風景
 
「やった~」
 
ーーー
 

ひとりドライブ

 
山頂近くで、何となく入った脇道
 
景色を見る余裕もなかったが
 
ドラマチックな経験をしたなー
 
もう嫌だけど
 
 
広い道を引き返せば
何事もなかった訳で
好奇心と近道になるつもりが
ひどい目にあった
 
「お兄さん」何て
言われたのも久しぶりだったなー
「じいさん」