昨日は稀代のカルト芸人『桐野安生』さんが今気になっている人をゲストに呼んで、色々お話をするトークライブ「桐野安生の今宵は語り合いましょう」だった。30年くらい前の深夜のトークバラエティみたいなタイトル。この時点でもうセンス満点である。

内容も桐野さんが1人で喋っていたら、急に雨が降り出す。そこへ雨宿りをしにゲストが舞台に入ってくると雨が止み、そのまま手作りの焚き火を囲んでまったりトークをするという演出。
手作りの焚き火のチープさといい、素の舞台にポンと置かれた丸椅子の雑さといい。センスが溢れて、滴り落ちている。



客入れ、オープニング、エンディングのBGMは全て桐野安生さんが作詞作曲したふざけた曲という世界観の入れように「なんて面白いライブだ!」とライブ前から興奮する。


「最初私が30分ほど1人で喋りますので、それから雨が降ってきてゲストが入ってくる形ですので」

「なるほど。わかりました」

「まぁ、でも30分喋れなかったら早々にギブアップして雨を降らせるかもしれませんよ」

「雨を降らせる」なんて神のような事を言いながら、桐野さんは笑っていた。

センス抜群のBGMとともにライブが始まり、桐野さんが1人で喋る。

わずか15分で雨が降ってきた。
早っ!!まぁ、これもご愛嬌だ。

さてライブはというと、桐野さんはどうやら私のTwitterの師匠ものまねのファンらしく、色々師匠ものまねやらエピソードを披露させて頂いた。
特に細かい打ち合わせもなかったので、「なるほど。特にコーナーとかもなくひたすら喋る感じだな」と察し、ただひたすらに喋る。
打ち合わせで聞いていたのは「キャンプファイヤをしながらまったり話しているイメージなので」だけだったので、世界観を壊さぬよう丁寧に喋る。

ライブ自体は楽しかったので、お客さんも他ゲストの『ぽんぽこ』もゲラゲラと笑って頂き、盛り上がる。
するとライブ終盤、急に桐野さんがカットインで「それではここでね、ゲストの皆さんの好きな曲を流そうかなと思います」と言ってきた。

え?このタイミングでコーナー行くの?
もう2時間やってるよ?
こりゃあ3時間コースだなと覚悟をして、そのコーナーに乗る。

私が好きな曲を言うと桐野さんはおもむろにiphoneを取り出して、YouTubeを起動。で、Bluetoothを使って会場内に曲を流す。

たまに動画前に流れる広告の音声まで拾ってしまい、「あ。いけね」とか言って慌てて消していた。

野外でキャンプファイヤを囲っている設定なんて、もうすっかりどこかに消えていた。
みんなで好きな曲をYouTubeで検索してかけているその姿は、深夜2時のフリーターの一人暮らしの部屋にしか見えなかった。

で、一通り好きな曲を聞く、謎の時間が約5分。
その後、桐野安生さんが謎のネタを披露して永久凍土くらいスベる。

「はい!じゃあ、そろそろライブも終わりにしようかな」

いや!なんだ!それ!!
お客、ゲスト全員が総ツッコミをして幕を閉じた。
センスが爆発して、砕け散っていた。
ただ楽しかった事だけは確かだ。



今日思った事:背脂と焦がしニンニクとマヨネーズさえあれば、デブを支配できる。