昨日は野暮用で実家に帰っていた。

実家には私、父親、Wikipedia日本版の編集者、大学教授という異色のメンツ。
芸人、高齢者、IT関係、有識者というポーカーだったら何の役も完成していない状態。

なぜこんなメンツでいるのかというと、半年くらい前に「イッテンモノ」という番組内のお宝コーナーに出演させて頂いた。

私が持っていったのは「日本陸軍が極秘に開発した電気炊飯器」
私の父親の友人が、戦後に陸軍の火薬廠(かやくしょう)、要は兵器庫の解体をしていた時に大量の電気炊飯器を発見した。
これは珍しい!一個貰っていこう!
その友人はそう考えて一個拝借。残りは全て焼却処分。

私の父親はよくわからないガラクタを集めるのが趣味で、この電気炊飯器を友人から貰い受けた。

月日は流れて、この電気炊飯器は「なんでも鑑定団」に出品したり、新聞から取材を受けたりと何やかんやあったが、ずっと所有していた。




そして半年前、私が「イッテンモノ」という番組でこの電気炊飯器を紹介をした。
特に反響もなく凪の状態だったが数ヶ月後、Wikipedia日本版の編集をしている人からTwitter上で私に連絡があった。

「是非見せて頂いて、よろしければWikipediaに載せたい」と。


で、昨日。

Wikipediaの編集の人と電気炊飯器の歴史を調べている大学教授が実家にやってきた。

「いや〜!これはすごい!」
「状態もいいですね〜〜」

Wikipediaの編集の人は興奮しながら写真を撮っていた。
大学教授の方は我々に電気炊飯器の歴史をご教授してくれた。

終始私は「?」という顔だったが、盛り下げてはいけないと思い、小気味よく「なるほどー」とか「え!そうなんですか!」という相槌を打っていた。

そして大学教授さんはこの電気炊飯器に関する様々な仮定や推論を言ってくれた。

おそらく極秘に開発した訳ではないという事。
最近の調査で、これ以前に電気炊飯器が出来ていたという事。
というか、なぜ兵器庫にこれがあったのか?
なんで焼却処分することになったのか?
「ん〜…」と最終的には腑に落ちない表情を浮かべていた大学教授さんが印象的だった。


取材は、1時間半ほどだったが不思議な時間だった。


こんな不思議な経験が出来たのもひとえに、ガラクタ集めが趣味の父親と手癖の悪い友人が気まぐれに電気炊飯器を拝借してくれたおかげである。


取材が終わり、Wikipediaの編集者が帰ろうとすると父親が言った。

「ゼンマイで動く昔のハエ取り器もあるけど、見る?」

以降はガラクタ展覧会だった。






今日思った事:夜勤バイトしてる芸人あるある:エナジードリンクの「モンスター」を飲みながら劇場に来る。