そういえばこないだ日曜の東洋館。

給料日前だったので、お金が無く節約モード。
出来れば誰か先輩に奢ってもらおうと劇場に入ると、楽屋に『左利き』の小介さん。

すぐさま腰を低くして、手もみしながら近づき
「へへへ。小介さん、飯奢ってくだせぃ…」
「お…おう。いいよ」

不気味にご飯に行く約束をする。

そして出番を終え、楽屋で『左利き』の出番が終わるまで待つ。

喫煙室で40分ほど時間を潰すも、中々小介さんから「ご飯行きましょう」の声がかからない。

一体何をやってるんだ!と若手楽屋にいる小介さんに催促する。

「小介さん、何食い行きます?」
「あ、ごめん。桂子師匠とラーメン行く事になっちゃった」

なんてこった!
ひどすぎるぞ!!!
気持ちをもてあそびやがって!!!

そうクレームを言いたかったが、内海桂子師匠の名前を出されたら、こちらは文句を言えない。

「そうっすか…桂子師匠とラーメン行くんすね」
「わりぃな」
「しょうがないっす。……でも桂子師匠って、歯あるんですか?」

文句を言わないよう我慢していたら、シンプルに失礼な疑問が漏れてしまった。

「歯?……あ〜〜、無いよ。」
「ない?全部?」
「うん。全部。」
「というか舌もないよ」


いや、そんな訳ないだろ!
じゃあ、喋れないだろ!
悪質な冗談にツッコミを入れた。

「いやいや、ほんとだよ」

小介さんはいたって真顔で言っている。そもそも小介さんはそういう類の冗談は言わない。

「え!マジっすか!歯も舌もないって。どうやってモノ食べるんすか?」
「だから…丸飲みだよ」
「蛇じゃねぇっすか」


歯も舌もない。
口を開けたら、真っ暗でまるで宇宙空間。

何もかも飲み込む宇宙空間に、小介さんと飯食う約束まで吸い込まれた。

そんな日だった。




どんな日だ?






今日思った事
ルパン3世あるある:・高いところから落ちた時、空中を平泳ぎ
・八分丈で足首出てる