何か失敗をして「なんでそうなるんだよ!!」と問われたり、いじられた時にムキになって、全く答えになってない事を長々と言って、せっかくの面白い空気をしぼませてしまう時がある。

スベったり、失敗した時に受け身が上手い人は怪我をしない。

けど、プライドなどが邪魔してジタバタして余計な言い訳や説明をすると、信じられない大怪我をする時がある。
 


今から書く人物は、相当受け身が下手な芸人である。
もちろん私だって受け身が上手いとは言えないが。。。





私のバイト先に「チョロ」という愛称で親しまれる『かがわの水割り』という芸人がいる。

ゴルフ用語でミスをする事をチョロというので、それに引っ掛けて私は、よくミスをする彼に「チョロ」というあだ名をつけた。

彼はそのあだ名を勝手に「チョロチョロ動き回る」から「チョロ」って呼ばれてるのだと思い違いをしていたので、由来は言わないでおいた。




そんなチョロはよくバイトを遅刻する。

それは中央線沿いに住んでいるので、電車がよく遅延するので遅刻してしまう。じゃあ、よく遅延するんだったら一本前の電車に乗ればいいのだろうが、子供を幼稚園に送ったりする時間の関係でどうしても同じ時刻の電車に乗らざるを得ない。

なので、遅延して遅刻。けれども会社的には電車の遅延は遅刻には入らない。


しかしある日、チョロは純粋に寝坊して遅刻をしてしまった。

遅刻して出勤した時、我々のバイト先で一番の芸歴の大先輩がチョロを軽くいじった。

「お前、しょっちゅう遅刻するな」

その時チョロは何を思ったか、キッとその先輩を睨みつけ言い放つ。


「いやいやいや!今月初めてですから!!!」


その先輩は一瞬「ん?」と思ったが、朝からカロリー使いたくなかったのか面倒くさいので無視をしたらしい。

けれどもチョロは続ける

「普段は遅延でうんぬんかんぬん。確かに今回の遅刻は寝坊ですけど、うんぬんかんぬん」

「いや、何言うてるか全然わからへん!!」

と言ったかどうかはわからないが、いじられた時に「そうなんですよね。てへへへ」と言えばそれで済んだはずだ。

ちゃんと受け身をしていれば、その先輩も「あいつ何やねん」とはならなかった。


あとこんな事もあった。

チョロがお客さんと電話で対応中に鼻水が垂れてしまった。そこであろう事か、保留もせず【ミュート】といってこちら側の声が相手に聞こえなくなるボタンを押し、ヘッドセットを外し、約1.5メートル離れたティッシュのある所まで行って鼻をかんでまた戻るという暴挙に出た。


そのトンデモ対応に驚いた上司が、チョロを叱りつけるという事があった。

それを聞いた時、私は「そりゃ駄目だよ〜。馬鹿じゃねぇの!」と笑った。

すると、チョロは「いや、でも鼻水がすごいダラダラ出たんですよ〜」

「だとしても、保留するとかあるだろ〜」と笑った。

するとチョロはキッと私を見て言い放つ。

「いや、でも!!その鼻水も粘着質なやつじゃなくて、液体の…ほら。わかります。あの、風邪が治りかけの時に出るタイプの。いや、風邪ひいてた訳じゃないんですけどね。けど、なんか液体みたいのが出て…+%=々〒〆」


長〜い!!!ダラダラと鼻水のように説明をするチョロ。

「ん〜、まぁ、そうかもしんないけどさ、色々方法はあったんじゃない………」

「いや!でも鼻水がタラーっと出ちゃったんですよ!!タラーっと!!それに結構1人で喋ってるタイプの人だったんで、ほら。そういう人いるじゃないですかぁ。だから反射的に……」

「ん。ん?ま、まぁ、そうかもしんないけどさ。。。お客さんと対応中なんだから」


「いや!でも!鼻水が!!!」

「もう、うるせぇ!!」

ブチ切れてしまった。

「なんだ、さっきから!!!その話のコンセプトは失敗談を笑ってくださいっていう笑い話なのか!?それとも俺悪くないですよね?っていう陳情なのかどっちなんだ!!!」

「失敗談の方です」

「じゃあ、素直に笑わせてくれよ!!いらねぇんだよ!お前の鼻水情報!!それが鼻水だろうが、鼻血だろうが、目ん玉がこぼれ出ていようが!!」

一拍間を開けて、チョロは言った。


「いや、三好さん笑…。目ん玉こぼれ出たら、お客さんと電話なんか出来ないですよ笑…。」

と上辺だけを掬いとるツッコミをしてきたので、無視した。
けれどもチョロは私の横道に逸れた、多少過剰過ぎる例えの部分をいじってきた。

ヘラヘラ近づくチョロ。
「大体、対応中に目玉がこぼれるってどんな状況ですか笑。あれですか…〒々€¥$%°^」

まだ言ってるーーー。

我慢ならずに言ってしまった。
「うるさいー!うるさい、うるさい、うるさい!!うるさーーーい!!!」

と言うと、上司に我々2人が叱られた。
「うるさい」


受け身が下手だと結局こうなる。





今日思った事
自己啓発本あるある:・途中までしか読まない
・目的を具体化して、それをするにはどうすればいいかという当たり前の事しか載っていない。
・本棚の隅にある