昨日は「カリスマ芸人待合室ライブ」だった。
去年惜しまれつつ、いや人知れず終了を迎えた神楽坂にある「劇団吹きだまり」の稽古場で毎週火曜に行われていた「カリスマ芸人待合室」というライブの1日限定復活ライブ。
10年以上昔からやっていて、場所も過激派のアジトのような埃臭い40平米くらいしかない劇場。
客席は最大20席で、楽屋なんて無く、出演者全員出入り口に置いてあるボロボロのベンチに座って待機。
そのライブを仕切っているのが70歳くらいの常にヨダレを垂らした怪しげな爺さん、受付はその爺さんの内縁の妻という、辺り一面怪奇に包まれたライブだった。
ポップから完全にかけ離れた場所。
お笑いライブの最果ての地。
売れてないという罪に対しての流刑の地。
そのライブに我々は8年くらい前から新ネタを試したい時に、不定期で出演していた。
出演者も今考えると中々豪華
バイきんぐさんやたんぽぽ、パッション屋良さんにジョイマン、ねづっちさんやチーモンチョーチュー、アイデンティティや青春ダーツ、東京ロンリーboyさんや遊び屋。サドルマン、スカイラブハリケーン、ウェルダン……
後半の芸人に関しては、知らなくて当然の知名度なのでご安心ください。
このライブで客が0人の前でネタをやるたんぽぽを見た事がある。
一体何のために、誰のために彼女達は密室でネタをやっているんだと、当時思ったものだ。
あとこんな事があった。
客が入っていないので、主催の70歳の爺さんが外に出て、客引きをしていた。
「お笑いライブやってますよ。見ないかい?」と街行く人にその爺さんは声をかけていた。
そんな事を突然言われても観に来る人はいない。
たとえ興味を持って、「行ってみようかな」と思ったとしても前述した通りヨダレを常に垂らしたじいさんだ。行く気も失せる。
「チケット千円だけど、500円でいいよ!」
半額で街行く人に声かけるも、来ない
やがて500円から100円。100円から0円。と値下げが止まらない。
さらに何を思ったか、その爺さんは街行く人に「もう500円あげるからお笑い見ない?」と言っていた。
もうタダでも無い。
こちらから客にギャラを渡すという新しいシステムを打ち出し始めた。
それでも客は来なかった。そりゃあそうだ。もう怪しすぎる。
で、人間というのは同じ事を繰り返しているとおかしくなるもので、その爺さんは「500円あげるからお笑い見ませんか〜〜!」という台詞を言い過ぎたせいか、言葉がどんどん省略されて、最終的には
「500円あげるよ〜〜!」になっていた。
街行く人にただ500円をあげるおじいさん。
いや、イカれた金持ちか!
ヨダレを垂らした爺さんに急に500円を渡される事ほどサスペンスな事はない。
当然爺さんの客引きで入ってくる客なんていなかった。
そんな客が入っていなかったライブ
けど、一度だけ近所の人の通報で警察が入ってきたことがあった。
刺激的なライブだったな…。
今日思った事
エロバカ探偵:「みつけたぞ!!成城石井の中に正常位という単語を!」
「わかったぞ!広範囲と後背位は似ている!」
「なぶるという漢字は『嫐る』とも『嬲る』とも書く。だったらは俺は『嫐る』の方がいい!」