ネタ作りの為、新宿の喫茶店へ。

お互い黙って、どれだけ煙草吸えるかの競争をしてるんじゃないかという位、煙草を吸う。

ポツポツと最近あった話をして、また煙草を吸い、そして携帯を見る。あまり携帯見過ぎるのもまずいなという空気を察して、また何か考えている風な顔して、煙草を吸う。

そんな空気を打破するために、一つ相方に提案した。

「ちょっ、歩きながらネタ考えよう」

そして新宿から渋谷まで歩きながらネタを考えることになった。

歩いて、歩いて代々木公園で疲れたので座る事にした。

そこで堰を切ったように、色んな思いを語り始めた。


これからどうすればいいか。
何が自分らには足りなくて、何があるのか。



そんな話に夢中になって、気づかなかったがふと横を見ると、50人くらいのおじさんの行列。

色味のない服、夜の闇にまぎれてしまうくらい日焼けし過ぎて赤銅色の顔、全財産を入れてると思しき紙袋を持った50代から60代のおじさんの行列。鼻をつくすえた臭い。


た、た、た、炊き出しの行列だ〜〜。

炊き出しの行列の最後尾でネタ作りしてた〜〜


こりゃあ、はたから見たら、我々二人も並んでる事になる!

まずい!一時避難!


反対側の花壇の段差に座り、様子を観察することにした。

皆黙って、談笑することもなく、ただひたすらに炊き出しの開始を待つ。
その空気は殺気に帯びていた。


二十分くらいが経過した後、大学のボランティアサークルらしき人達が登場

「それでは開始しま〜す」

ぞろぞろとその大学生達に群がる男たち。

大学生が手に持っているのはインスタントコーヒーの粉。その先にあるのは熱湯の入ったポット。
男たちの手には紙コップ。


そうか。。ボランティアサークルの大学生が配るコーヒーに並んでたんだなぁ。。。


しばらくその様子を我々はコーヒーではなく、固唾を飲んで見入ってしまった。


何回も並んで、コーヒーを何杯も飲む人。
インスタントコーヒーの粉を空のペットボトルに入れて、備蓄する人。
一杯だけ飲んで、様子を伺う人。


ずっと見てしまった。

しばらくすると、あれだけ並んでいたおじさん達も遠巻きで様子を伺い、並ばなくなっていた。

ボランティアサークルの大学生が言う。

「まだまだ残りあるので、是非〜」
「空いた紙コップは回収しま〜す」
「まだあるから飲まない?大丈夫なの〜?」


???一人変なの混じってたぞ。ん?

「ゴミ袋はここにありま〜す」
「もし飲みたい方いたら是非〜」
「純ちゃん達、ほんと大丈夫?残りまだまだあるよ〜。」


あれ?ボランティアサークルの中に一人、髭モジャおじさんもいるぞ。
いや、さっきまで並んでましたよね??

「飲む人いないみたいだから、これ片付けちゃおうか」
ついには仕切り出した。

困る大学生。

そのサークルの女子部員に話しかける髭モジャおじさん。

困る女子部員。


片付けが終わり、大学生達がその場で小さい円陣を作り反省会を始めた。

サークルの部長的な大学生が「こういう経験をして…」と話してる隣に髭モジャおじさんが副部長的な感じで聞いている。

いや、全然擬態できてない!!

それでは解散といって、その女子部員達に混じって一緒に帰ろうとする。

そのまま打ち上げに向かう大学生の中に、一人混じる髭モジャおじさん。

どうなるのか?

我々は尾行してしまった。


まぁ、結果は髭モジャおじさん、流石に打ち上げに参加出来ず。
ふぁ〜っと夜の街に消えていった。

きっと感謝の気持ちを伝えたかったのだろう。だから思わず、片付けを手伝ったり、反省会に参加したりしたんだろう。
観察してただけなので、憶測でしかないが。。




あれ?俺ら何してんだろう。

俺らに足りないのはネタ作りの集中力かもしれない。


今日思った事
え!!あの芸能人の裏流出動画!?これはクリックしなければ……よそう!また架空請求されるといけねぇ。。。