あなたはここにいなくとも

こんなときにオススメ
★家族について考えたいとき
★人との繋がりについて考えたいとき
★未来に希望をもちたいとき

こんなアロマのイメージ
・ラベンダー 繋がり
・オレンジ 希望
・シダーウッド 手放し
・ベルガモット 関係
・ジュニパー アク



家族、もしくは繋がりと繋がりを手放すということがテーマなのかな。短編集。

「おつやのよる」は、家族がど真ん中のテーマ。
自分の家で当たり前だと思っていたことが当たり前でなかったり、逆に自分の家族は変わっている、と思うから恥ずかしく思ったり。
でも、それぞれの家族があり、恥ずかしくなんてないのだ。

「ばばあのマーチ」
これは、繋がりを手放すっていうことかな。
元勤務先や恋人によって、自己を否定していく主人公。でも、そんな自分でも人の助けになったことがあった。否定していた自分を手放していく。そうやって、手放す方が良い道につながるだろうと思えることもある。


「入道雲が生まれるころ」
こっちは逆に、ある程度人間関係を築くと、全てリセットしたくなってしまう主人公。
とある人が亡くなってその整理をする中で、リセットする自分の生き方を少し考えるようになる。
「何を捨てても、幸福の記憶は消えない。あたしもずっと心に残るような幸せな景色を抱えて、生きていきたい。」
「ずっと大事にしたい、抱えて生きていきたいものってどうやっても捨てられんのよ。心の中でかたちを変えて、自分と折り合いをつけて存在していくだけ。」

「くろい穴」
これだけちょっと雰囲気が違うような。これだけ書き下ろしだからかな。
栗のアクが。この黒いものは栗のアクではなく、自分の心のアクなのか。
それを人に食べさせたくなってしまうときだってある…。
こんな男と関わっていたから。


「先を生くひと」
澪さん、本当に素敵な人だ。こんなふうに歳を重ねることごできたらいい。辛い想い出も、全て抱えて。
でも、物には託さずに、自分の奥にしまい込む。
そして、主人公たちにこんな言葉をかけてくれる。
「あなたたちは、可能性に溢れているのよ。恋も、友情も、夢も、何もかもがこれからなの。そして、どんなことだってできる。最初から諦めなければいけないことなんてない。絶望しないといけない障害なんてない。だから何ひとつ、憂うことはない。後悔しないように、それだけを忘れなければいい。もちろん、大変なことがたくさんあるでしょう。頑張ったからって成果が出ないこともある。でも、どんなに辛いことや哀しいことがあったとしても、大丈夫。やっぱり」
「私はあなたたちのぜーんぶを受け止めて、抱きしめるわよ。」
…素敵。