心かよわせた 友が
先日旅だった
遠隔で繋がっていたので
臨終にも 立ち会えた
苦しむことなく 安らかな最後でした
人は 無限に近い偶然の中に生まれ
無限に近い偶然の出会いの中に生き
たったひとつの 死 という必然の中に消えてゆく
だから もし私が死んでも
葬式などいらない お墓などいらない 私のお墓は 宇宙ですから
お経もいりません
そして 泣いてくれるのは迷惑です
でも生きてる方がどうしてもそうしたいなら
自由にするがいい
遺体は邪魔なら 火葬でも 宇宙葬でも
勝手にやってくれ
ついでに 49日もいらない
私が残してゆく人たちよ
Ⅰ日も早く日常に帰って下さい
私などという存在はなかったかのように
日常に生きてください
私は 今は亡き両親のお墓参りなどしたことがありません
両親のお墓なら私の心の中にあるからです
日常に生きることは その一日が どれほど尊いものか
私は知っている
だから私が死んだくらいで
あなたの尊い 何物にも代えがたい
あなたの日常を 犠牲にしないでください
無限の奇跡という偶然に生まれ
奇跡の出会いの中に生きて
たった一つの必然の中へ消える
それが私たちが 死 と呼んでるものです
そこへ彼は旅立った
私はお線香をあげに行くことすらしないと思う
あると者旅立ちに寄せて
宮澤気豊