ども、宮崎市に居酒屋オープンを夢見る、脱サラ予備軍「鳥王」です。
先日のブログにて、チキン南蛮の完成に向けて鳥王の師匠であるマスターに連絡をすると書きました。
鈴木のマスターは、チキン南蛮発祥と言われる「おぐら」にてチーフを務めてました。
宮崎市橘通りにある、細い路地(服地のサカモト横)を入っていったところに本店があります。
実は、鳥王のお袋とマスターは、この「おぐら本店」の手前2階に店舗を構えてました。
うちの店の名前は「銀杏亭」(ぎんなんてい)。
ぎんなん ⇒イチョウ ⇒ 末広がり って意味だったそうです。
大きく育っていくようにとの願いがあったようです。
マスターは、鳥王がガキの頃(小学生)からうちに来ていて遊び相手になってくれていた。
そのころに、大根ツマの作り方やオムレツの作り方を教えてくれた。
もちろん、チキン南蛮も。
マスターの料理の中でも特に美味かった
ハンバーグ。
マスターの作るハンバーグは、おぐらで出てくるハンバーグとは一味違う。
鳥王はその秘密を知っている。
マスターは、勉強も教えてくれた。
ドレッシングの作り方、肉の焼き方、焼肉のたれの作り方、デミグラスソースの作り方、ほんとうに沢山の料理を教えてくれた。
サッカー部に所属していたとのことで、カーブをかけたボールの蹴り方やドライブシュートの蹴り方も教えてくれた。
陸上部だった鳥王が部活から帰ると、仕事で疲れているにも関わらず、ずっと鳥王の足をマッサージしてくれてた。
お店の休みの日は、良い食材を仕入れるためにあちこち車を走らせていた。
店のお客さんのことをきちんと記憶し、前回来たときには何のスープを出したか?を思い出し、今日は違うスープをだす。
好みの味はどうだったか・・・、趣味な何だったか・・・。
マスターは厨房にいるので、直接お客さんと合わないのにその全てを頭に入れていた。
最高の料理を、最高のシチュエーションで、お客様第一で仕事をしていた。
そして・・・・
怒る事はなく、いつも静かに笑っていた。
そう、まるで「宮沢賢治の雨にも負けず・・・」のよう。
怒った顔のマスターをただの一度も見た事はない。
そんなマスターが、大好きだった。
そのマスターに連絡が取れなかった。
宮崎にいる家族に連絡をし、マスターに連絡をとるように伝えた。
そして今日の朝。
マスターが亡くなっていたことを知った。
うちの店(銀杏亭)を閉めるきっかけになったのは、マスターの体調不良。
腎臓を悪くし透析をするようになった。
鳥王は、ガキながら自分の腎臓一つなくなってでも、マスターが助かるのなら腎臓一個あげてもいいと思っていた。
しかし、適応していないと移植はできない。
鳥王にはどうにもできなかった。
それから数年、数十年。
透析を受けているマスターにちょいちょい電話をしては話しをしていた。
弁当屋をするとき、カレー屋をするとき、ドレッシングをつくるとき・・・
いつだってマスターは電話に出てくれた。
マスターの影響で、ガキの頃に「F-1」が好きになった。
小学生・中学生のころ、F-1の中継は夜中だった。
眠い目をこすりながらテレビを見ていた。
透析になってしまったが、マスターをF-1に連れていくのが鳥王の夢だった。
連日の外泊はできないが、予選か本線の1日くらいであれば遠出もできるとのこと。
お金をためて、F-1日本グランプリにマスターを連れて行こうと決めていた。
先のブログで「50歳を越したら好きなことをする」と書いた。
その中には「マスターに恩返しをする」というのが俺の中にあった。
それなのにもうできない。
バカみたいな金の使い方をしたこともある。
金なんか貯めなくても、F-1見に行くくらいの金はあった。
時間だって、どうにかすれば作れた。
自分の事を優先してしまい、ついついマスターのことを後回しにしてしまった。
「好きなことをする」というのは、「自分が死ぬときに後悔しない」という意味があった。
最愛の人がひとり居なくなってしまった。
鳥王、最大の後悔になってしまった。
居酒屋「鳥王」をオープンしたら、まっさきにマスターに連絡して来てもらい・・・
鳥王の作ったテーブルとイスに座ってもらって、鳥王の作った料理を少しづつだが色々と食べてもらって・・・
「この焼き鳥どう?」
「この串カツどう?」
「このオムレツどう?」
「このお新香どう?」
「美味しく出来てる?」
「マスターの味を引継げてる?」
そして、マスターに・・・
「つとむ君、よくできてるよ」って言ってもらいたかった。。。
あの頃のように・・・
キーボードを打ちながら涙が止まらない・・・
今の鳥王、これからの鳥王にできること。
マスターの志を受け継ぎ・・・
「お客様に寄り添った最高のパフォーマンス」を。
「常に最高の料理」を。
「誰にでも分け隔てのない大きな愛」を。
鳥王の胸に刻み込もうと思います。
マスター、これまでありがとう。
マスター、愛してるよ。
マスター、今まで大変だったね、ゆっくりと休んでね。
本当にありがとう。
チキン南蛮は、鳥王の記憶と工夫で完成させてみせようと思います。