としさんの振り返りで思い出したことがある。
2020年10月。金沢でのプロジェクト運命が無事終幕を迎えた時のこと。
あの日、あの時、としさんが犀川の橋の上から見上げた空。
たまたま私も21世紀美術館から空を見上げていた。
面白い雲だなと思って何となく撮った写真である。
これを撮影したのは2020年10月16日11時30分頃。
としさんが18日に動画をブログにアップされ、のちに知った。
雲の形、同じだ。
場所は違えど同じ金沢で、同じ時に同じ風景を見ていたのだと思うと、空も心も繋がってると思って嬉しくなった。
ましてやあの頃はコロナ禍真っ只中。
未知のウイルスに死と隣り合わせの恐怖や不安と向き合いながら毎日を過ごし「ディスタンス」が当たり前になってしまった時期だった。
大切な人と同じ風景を見て、同じ瞬間を生きているしあわせ。心からありがたいと思った。
としさんに出逢えたことは私にとって人生の転機であり、その思いはきっと生涯消えることは無い。
これからも同じ風景を見ながらその瞬間瞬間を大切に、共に歩んでいきたい。
ちなみに私がとしさんが見据える景色に会いに行ったのはその2ヶ月後、極寒の真冬である。
としさんのイベントとは関係ない時期だっけど、どうしても行ってみたかったんだ。
人通りもなく、橋の上には自分ただ一人。
でもなんとなく、としさんがそこにいるような感覚がした。