病気を治す薬は一つも無い | 論文集

病気を治す薬は一つも無い

(岡田茂吉師御論文です)


病気を治す薬は一つも無い

『新日本医術書』昭和11(1936)年4月21日執筆

 薬では、病気が治らないという事は、医家自身も常に痛感している事であろう。しかし、ただ、苦痛を緩和する効果はある。要するに、病気を弾圧するか、又は、麻痺に寄〔依〕って一時苦痛の感受を軽減し得るだけの事である。薬剤とは、それ以外の何物でもないのである。しかしながら、常に私も言うごとく、苦痛とは病気治癒工作の過程であるから、苦痛緩和はそれだけ、病気治癒を遅らす道理である。のみならず、それに、薬剤の余毒が伴うのであるから、二重の不利を受ける訳である。実に薬剤による血液の汚濁は恐るべきものであって、それは、いかなる薬剤といえども、多少の血液汚濁は免かれないのである。
 血液汚濁の害としては、浄化力を衰耗させる結果、著しく活力を減退さす事である。故に、その結果として、病気に罹り易くなり、病気治癒の力が弱まるのである。それは、濁血程殺菌力が無いからである。
 かくのごとく、薬剤なるものは病気治癒を遅らせる事と、血液を汚濁させる害がある以上、他面、苦痛を緩和させるという益と比較してみる時、それは、害の方がはるかに優っている事を知らねばならないのである。
 しかるにも不拘(かかわらず)、近代人は無暗に薬剤を用いたがる。それは全く薬剤の害を知らないからであるから、一日も早くこの理を知悉(ちしつ)させなければならないのである。近代人の罹病率や短命の多きと病気治癒の遅々たる事実は、少くともこれが原因である事は、争う余地が無いのである。
 二六時中、薬餌に親しみながら、これという病気もなく、といって健康にもならないという人は、大抵皆、薬剤中毒患者と言ってもよいので、そういう人は薬剤使用を廃止すれば、漸(ぜん)を逐(お)うて健康は恢復するのである。
 私は大いに叫びたい。国民保健は、薬剤廃止からである……と。
    (昭和十一年四月二十一日)

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