たるみ治療:サーマクールとウルセラシステム | 美容外科開業医の独り言

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以前のブログでも書いたのですが、サーマクールとウルセラシステムの治療効果の違いについて、よく質問されます。最近分かってきた知見を今回は書こうと思います。

サーマクールはスキンタイトニング、いわゆる皮膚を引き締める効果が主であり、新世代のCPTは特に皮膚表面の蓄熱作用が強く、肌の張り感を早期に感じやすいようです。その後2~3ヶ月の経過で全体的な引き締め感が生じてきます。当院で施術を受けた患者様の意見でも、以前よりも早期に、かつ分かりやすい変化が得られています。

一方のウルセラシステムは、業者さん曰く「リアルリフト」です。皮膚や浅いレベルだけではなく、深部の筋膜SMAS つまりたるみの本丸である深部組織の引き締め効果によって、手術と同じ原理で引き上げようとする治療です。焦点を絞って深部を引き上げるので、唯一引き上げ:リフトという承認を米国で取得している機器になります。皮膚表面への熱影響がないために、サーマクールのように肌の張り感を感じにくい、つまり早期の効果を自覚しにくいのが最大の欠点ですが、3ヶ月程度かけて頬などをじわじわと引き上げていきます。肌内部で張った感じ、引き上がった感じを得ます。
先日の学会で東京女子医大形成外科の河野先生が詳細な画像解析システムで解析していましたが、3ヶ月より半年経ってからの方が効果が得られていると、特に立体的構造においてその差が顕著であるということです。この立体的構造というのがくせ者で、人間は自分の顔を三次元的に見ることができません。あくまで鏡:2次元の視覚を通じてです。だから本当の効果よりもやや過小な自覚効果になります。ただ、このデータは長期評価ということで、ウルセラシステムの旧治療法(昨年前半までの方法)によるもので、新しい治療手順においてはこのあたりを改善し、皮膚の浅いレベルにも熱影響を波及させ、効果を自覚しやすいようになっています。やはり半年経ってからというのでは効果を自覚されにくいので、同じ結果を早期に得られるよう手法が改善されてきました。

今や米国ではこのウルセラシステムがかなり注目され、先日の米国レーザー医学会でも、この機械の発表が多数あったようです。本社が販売で忙しく、提案していた機器のソフトウェアの変更が全く進みません....
日本で導入を決めたクリニックも増えてきたようで、昨年後半に輸入代行業者が変わったことで停滞してしまった国内導入台数も今年は伸びるでしょう。
GW明けには業者が変更されて初のウルセラシステム国内セミナーも開かれます。この発表準備もしなければ....

といことで、
サーマクールCPTは引き締め、ウルセラシステムは引き上げ、これが一番分かりやすい表現になります。
両者を併用したらどうかともよく聞かれますが、併用するとすごく良いんです(美STORYでも紹介されたようです)。ただ、治療費が膨らみすぎるのが欠点です。