ボクには今年93才の母がいる
西暦1931年、昭和6年生れ
満州事変が勃発し日本が大東亜戦争へと進んでいくまさに戦争の時代が始まる年
ご多分に漏れず波乱万丈の戦中戦後の人生を送ってきたが、生まれつきの呑気な性格でのらりくらりと世間の荒波を乗り越え93に至ったわけだが一昨年、家の中で転倒。足を骨折し以来車いすの生活を余儀なくされている
現在は俗にいう「老人ホーム」に入所中でわれわれが週に一度、顔と様子を見に面会に行く
ホームの玄関で受付を済ましエレベーターで2Fへ向かう
その間に受付から2Fの面会窓口に連絡がいき母に面会が来たと伝わるシステム
エレベーターのドアが開き面会席に向かうとあちらのほうから車いすに乗った母が颯爽とやってくる
「シャーーーー」
目を疑うほどその運転たるや見事なのだ
タイヤから煙が見えた?ドリフトさせた?
おそるべき車いす捌きである
また、手紙を書いたので出してほしいという
みるときちんと自分の字で宛名を書いてある
わが母ながらほんとうにしっかりしていると感心
一通は孫宛で先日手紙を寄こしたらしくその返事
聞くと「結婚するまで元気でいてくれというのでわしゃ、がんばる!」とのこと
あいつはなかなか結婚しないよ、と言っておいた
まだまだ死なれちゃ困るからさ、今の様子じゃまだまだ先だろうけど