今日は湘南電車誕生の日 -⑤
73年前の今日は湘南型電車が誕生し、日本が高速高頻度運転の夜明けを迎え、世界の鉄道先進国の仲間入りをする、その起点となった日です。
今年で5回目の記事となりましたが、たまには日本史から離れて雑談を徒然としたいと思います。
これまで毎年説明しているものの、やはり最初は湘南型 80系電車の簡単な紹介はします。
1950(昭和25)年1月30日に第1編成が完成し、各種テストが実施された後に東海道本線にて試運転が行われ、3月1日のダイヤ改正より営業運転を開始しました。
80系電車はマイナーチェンジを繰り返しながら1958(昭和32)年までに652両が製造されて、戦後ニッポンの高度成長期を駆け抜けます。
システム的には戦前から続く旧型国電の発展上にあるものの、振動対策や長距離高速運転、そして車内の居住性などの新しい機能もふんだんに取り入れられました。
運用終了1983(昭和58)年で最終廃車1985(昭和60)年でした。
電車に編成単位という概念を作り、それから153系 急行東海・151系 特急こだまへと発展した長距離高速列車は、全国のL特急網を形成。
世界初の超高速電車である0系新幹線を生み出し、やがて500系新幹線によって世界最速のタイトルに輝きました。
旧型電車の集大成であり、世界最速の祖でもある80系電車の、そのトップナンバー2両が京都鉄道博物館に展示されています。
オレンジ色の深緑色のツートンカラーは、国鉄電車の代名詞とも言えるデザインですが、最初にこれをまとった列車こそが80系電車でした。
この後登場する111系電車・153系電車もこの湘南色をまとったため、全国の直流区間を走る近郊型・急行型を湘南色は駆け抜けることとなりました。
国鉄がJRとなって高崎エリアから115系電車が役目を終える頃、湘南色はその色風味から通称″かぼちゃ電車″と呼ばれました。
当初は一部の人が使っていたニックネームでしたが、やがて愛称として広く認知されたためでしょう。
かぼちゃ電車の祖先である80系電車にも、ハロウィンの装飾が昨年の10月には施されていました。
燻し銀の受勲老兵がひ孫さんに、クリスマスの赤い三角帽子を被せさせらされて、ちょっと照れているようなカワイイ感じです。
元々、戦後ニッポンの明るいイメージをとデザインされたかぼちゃ色こと湘南色は、湘南と東海のミカン色を象徴したものと言われています。
しかしそれは俗説で、実際には大量に余った航空機の塗料の使い道として、新しい電車に使ってみようと省庁間でのやりとりの結果でした。
ちょうど国鉄でも新しい時代のイメージ戦略を模索していた時で、零戦グリーンに合う明るい色を検討し、オレンジ色へと決まった経緯があります。
結果として湘南・東海地域のミカン色とイメージが合ったので、その俗説のまま直流区間全域へと広がったのですが。
晩年はミカンではなくカボチャと呼ばれているのには、少し微笑ましさを感じます。
今、そのカボチャ電車色の現役車両は、岡山地区で走る115系電車だけとなっています。
80系電車・70系電車をメインにしたユーチューブを貼ってみました。
こういった過去の記録映画は、見ていて楽しいだけでなく、当時の日本がどのようだったという、歴史の勉強にも役立ちます。
画面に映る人たちの仕草や服装、職員さんたちの動きや服装は、特に時代を反映していて楽しく感じます。
#幼き頃の愛車を晒せ
— 旅・鉄道⭐︎しおちゃんねる (@shiochannel1) 2022年11月27日
国鉄80系電車😃🚃✨ pic.twitter.com/QUGTOffIph
東海道線での80系電車の走行音は豪快でした。
— コジュケイ (@kozyukei0430) 2022年9月23日
下り大垣方面に発車していくシーンの後追いです。
1976.8 岐阜 #80系 pic.twitter.com/FC1q2FinkN
最終形態の80系電車の晩年の姿を、ツイッターから見つけて貼ってみました。
私もいくつか80系電車の写真は撮っているのですが、ネガフィルムからデジタル化することが今はできないので、こうやって昔の写真を公開される方々には感謝するばかりです。
しかし2枚窓の70系電車・80系電車が1両も現存せず、解体処分されていることには毎年、残念な気持ちでいっぱいになるのは、私だけではないでしょう。
最後にこちらは、横須賀線を皮切りに中央本線などに投入された、70系電車です。
上の写真は福山城をバックに福山駅 待機線へ停車中な在りし日の姿と、下は京都鉄道博物館に展示されている精密模型です。
2枚窓の先頭デザインは湘南顔の80系と共通デザインですが、70系は老朽化車両の置き換えや輸送力増強のために誕生したので、戦前型電車と混結で運転されました。
JR東日本のHPで、このような公式案内がありました。
湘南色つながりで追記で貼りましたが、かなり欲しい一冊ですね。
JR東海もJR西日本も出せばいいのになと思いつつも、冊子にするほどのバリエーションは無いような気がします。
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